研究課題/領域番号 |
13650560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
堺 茂樹 岩手大学, 工学部・建設環境工学科, 教授 (80091643)
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研究分担者 |
劉 暁東 岩手大学, 工学部・建設環境工学科, 助教授 (10312513)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 孤立波 / 弾性浮体 / 分裂 / 模型実験 / 数値解析 |
研究概要 |
研究代表者及び分担者は、以前より弾性浮体下での孤立波が分裂することを見出しており、これは海底地形が変化する場合に見られるソリトン分裂とは異なることを指摘した。特に、ソリトン分裂では孤立波の背後に分裂波が発生するのに対し、浮体下の孤立波の実験では前方に分裂している。分裂は進行と共に顕著となるため、水理模型実験では水路の長さが十分でない場合もあることから、本研究期間の前半は数値計算法の開発を行った。本計算手法は、流体運動の計算には境界要素法を、浮体の弾性変形の計算には有限要素法を用い、浮体と流体の界面において両計算による変位及び圧力を一致させる有限要素・境界要素の接続解法である。従来の弾性浮体と流体の連成運動に関する数値計算は周波数領域での計算であったのに対し、本計算手法は一次元解析ではあるが、時間領域解析としてははじめてのものである。また、実験結果との比較により、規則波、不規則波、孤立波のいずれにおいても精度良く計算できることが検証された。この手法を用いた計算により、浮体下の分裂には、水理実験で確認された前方分裂の他に、後方分裂及び前後に分裂する場合の3種類が存在し、それぞれの発生限界は主に浮体の剛性及び水深に依存することが明らかとなった。さらに、分裂のメカニズムを検討するため、浮体の変形と浮体に作用する流体力の計測を行った。実測された弾性変形に見合う水圧を計算し、これと実測水圧を比較すると、実測水圧はいくぶん波形を先行することが分かった。浮体の変形形状が完全な孤立波であれば、孤立波の裾部の圧力はわずかに正であるが、孤立波の進行と共に裾部の圧力が増大し、ここに分裂波が発生する。裾部に発生した分裂波が流体運動と連成すると、分裂波の前方にあらたに正の圧力が発生し、次の分裂波の発生をもたらすことが明らかとなった。
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