研究概要 |
産業廃棄物である焼酎蒸留粕は2003年から海洋投棄の禁止が予想されるため,その有効利用として家畜の飼料化や農業資材への応用が検討されている。日本の家畜飼料自給率が25%である今日,植物性産業廃棄物から家畜飼料を作製する技術は資源の有効利用と廃棄物量削減の観点から重要である。 本研究では,焼酎蒸留粕の地域循環資源化システムの提案とその焼酎蒸留粕と稲わらから家畜の飼料、農業資材の作製と有用有機物を回収する実験を行い,1)焼酎蒸留粕と稲わらを混合粉砕後,圧搾ろ過を行い,ろ過残渣物に小麦粉を添加することで,現在市販されている配合飼料と同等成分の飼料を作成できる。2)焼酎蒸留粕と稲わらを混合粉砕することにより,圧搾時に稲わらの繊維が繊維膜として働き,固形物の高除去率が得られる。3)甘藷粕中のアルコールはすべての温度,圧力条件において蒸留開始直後に多く回収され,濃度は約20,000mg/Lである。4)エタノールを回収する最適条件は,蒸留温度:80℃,圧力27kPa,蒸留時間:5分であった。5)エタノールを回収する最適条件は,蒸留温度:80℃,圧力:27kPa,蒸留時間:5分であった。6)菌糸塊は圧搾濾液1m3当たり21kg生成され、圧搾残渣物と菌糸興を原料とした作製飼料は105kg作製できる等の結果を得た。
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