研究概要 |
本研究は,廃プラスチックの脱焼却をに向けた一技術として開発がなされている生分解性プラスチック(BP)の埋立処分における問題点,特に分解に伴い発生する有機汚濁物負荷,発生ガス負荷及び毒性等を明らかにし,効率的で環境に優しいプラスチックの処理処分方法を確立することを目的として行ったものである。平成13年度においてBPの分解特性とそれに伴う汚濁負荷について調査するとともに,浸出水汚濁負荷の小さな埋立構造について検討した。平成14年度はBPの種類と浸出水汚濁負荷について調査し,生分解性プラスチックへの転換後埋立処分をした場合の建設費用を現行システムである焼却や溶融処理等の中間処理後残渣物を埋立処分する場合と比較し,廃プラスチックの脱焼却技術としての埋立処分技術の有用性について検討した。本研究を通して得られた結果を以下にまとめる。 1)BPの分解によって浸出水の汚濁負荷は増大する。 2)埋立地における有機物分解の傾向と同様に、準好気性埋立構造は嫌気性に比べてBPの分解に伴う浸出水汚濁負荷が小さい。 3)浸出水への汚濁負荷が最も大きいBPはPBSAであった。 4)PLA及びPVA+澱粉では充填量の約半分が二酸化炭素へ分解され,浸出水汚濁負荷が比較的小さかった。 5)3)及び4)の結果から,PBSAが多量に廃棄物埋立地に搬入されると浸出水汚濁負荷が増大する可能性がある。 6)BPの分解によって人体に対して有害な有機化学物質は生成されなかった。 7)プラスチックを生分解性プラスチックへ転換後埋立処分を行う処理処分システムを導入した場合の建設費は102億〜107億と試算された。この値は溶融処理を中間処理に採用した場合の建設費(165億〜201億)の65%であった。
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