研究課題/領域番号 |
13650610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 舞鶴工業高等専門学校 |
研究代表者 |
四蔵 茂雄 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助手 (60259893)
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研究分担者 |
原田 秀樹 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70134971)
梅原 康生 舞鶴工業高等専門学校, 人文科学部門, 助教授 (80141901)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | リサイクル / 途上国 / ネパール / カンボジア / ごみ管理 |
研究概要 |
本研究の目的は、途上国における既存物質循環システムを、市民の行動様式を通して観察し、その差違をいくつかの国々で比較することである。本研究では、アジアの途上国からネパール国・カトマンズ市とカンボジア国・プノンペン市において現地調査を実施し、以下の成果を得た。 1)不適切なごみ管理がもたらす都市あるいはコミュニティーの物理的状況の差違により、カトマンズではごみ問題を深刻な問題であると認識している市民がほとんどであるが、プノンペンではあまり関心を示さない市民もかなりいた。 2)一次回収者(スカベンジャー、巡回回収人等)は、リサイクルに重要な役割を果たしており、市民もこれらの人々の活動に高い評価を与えている。 3)既存システムを適切に修正し、将来的にも持続可能とするためには、既存の社会状況を前提としていることが必要である。カトマンズについてみると、ネパール社会は分業化が徹底しているため、市民のリサイクルに対する関心は非常に高いとはいえ、市民の直接的な参加を前提とした制度は困難である。例えば、我が国のように市民が直接廃品を回収する様な制度は無理である。一般的な市民の関与としては、家庭内における作業(分別と規則的な排出等)と金銭的負担に限定されものと思われる。一方プノンペンでは、市民の参加に対するためらいは、カトマンズほどではないと思われる。ただし、現在巡回回収人による回収システムが広く確立され、市民もこれを受け入れているため、この制度を前提としたシステム設計が望ましい。 4)さらに民間あるいは市場に全てをゆだねることなく、政府が適宜関与することが必要である。現在カトマンズ・プノンペン両市におけるリサイクルは、全くの市場原理、すなわち需要と供給のバランスだけで成立している。経済発展のプロセスは、少なからず社会的変容を伴うものであるため、今後システムの変容を適切に制御するためには、政府の関与が不可欠になる。資源の利用、リサイクル、ごみ管理など、社会・経済活動に伴う物質循環の外部性に着目した政策の展開が必要である。
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