研究課題/領域番号 |
13650640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
見村 博明 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00057233)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 鋼構造 / 溶接 / 柱-はり接合部 / き裂進展 / 破壊力学 |
研究概要 |
鋼構造建築物における柱-はり溶接部の激震時に受ける数回から数十回の繰返し荷重による延性き裂の発生と、き裂の進展、及びその後の不安定(脆性)は破壊に至る挙動を実験的に調べた。 実験では、側柱に接続するはりを想定したト型試験体を用いた。柱には□-250×250×9(STKR490)、はりはBH-300×150×6×12(SN490B)を用い、通しダイヤフラム形式とした。試験体数はノンスカラップ形式とスカラップ形式、各6体の計12体とした。載荷ははり端の変位がはりの全塑性モーメント時の弾性変形(Δp)の1.0〜25倍とする定変位振幅繰返し載荷と、最大変位がΔpの2.0、2.5倍となる不規則変位振幅繰返し載荷とした。 1)き裂の発生個所はノンスカラップ形式ではダイヤフラムとはりフランジの接合部のはりフランジ端部で、き裂はフランジ幅方向に進展し破壊に至る。一方、スカラップ形式では変位振幅が1.5Δp以上ではスカラップ底からき裂が発生し、フランジを貫通した後、フランジ幅方向に進展し、破壊に至る。 2)き裂長さがフランジ幅の20%〜40%に達するとはりの耐力は全塑性モーメントの80%程度に低下し、その後、耐力低下は顕著になる。従って、限界き裂ながさははりフランジ幅の約20%と見なせる。 3)き裂進展速度、da/dN(a;き裂長さ、N;繰返し回数)はJ積分範囲、ΔJとの間にda/dN=C(ΔJ)^mの関係がある。材料定数として、m=1.15〜1.44(ノンスカラップ)、m=1.34〜1.61(スカラップ)が得られた。これにより任意の繰返し負荷に対するき裂進展量の推定が可能となった。 4)はり破断時までの繰返し回数(疲労寿命)は、ノンスカラップ形式はスカラップ形式の約2倍の寿命を有し、地震等の繰返し負荷に対して有利な構造詳細であることが確認された。
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