研究課題/領域番号 |
13650676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
西島 芳子 高知大学, 教育学部, 教授 (60036655)
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研究分担者 |
岡 俊江 九州女子大学, 家政学部, 教授 (90223990)
宇野 浩三 高知女子大学, 生活科学部, 教授 (50254678)
青野 智子(碓田 智子) (青野 智子) 福井大学, 教育地域科学部, 助教授 (70273000)
田中 勝 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (70202174)
久保 加津代 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (50214987)
曲田 清維 Faculty of Education, Ehime University Professor (00116972)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 地域性 / 住教育 / 教材開発 / 授業実践 / 住情報 / 総合的学習 / 地域連携 / 副読本 |
研究概要 |
全国8道県において学校教育や社会教育において地域性を生かした住教育実践を行い、その効果・評価・成立条件・課題などを考察した。第一に住まい・まちづくり教育が各地域で多様な形態で実践され、その評価や効果と共にいくつかの課題や普及のための条件整備などが指摘されている。(1)北海道岩見沢市の小学校6年生の総合的学習において北海道の地域性を生かした住教育実践を行った。「北海道で快適に暮らせる住まい」について調べ学習をし、理想の住まいを平面図に描き、模型づくりにまで発展させた24次にわたる授業展開であった。建築士会の建築家3名が教師と協働で授業を行っており、学校と地域との連携によって成立した授業である。(2)山梨県の地域性を生かした住教育実践では高校家庭科における住教育実践、小学校と大学研究室との連携によるインターネット活用の総合的学習、甲斐の家プロジェクトによる参加型社会教育の実践が紹介され、地域の住教育教材によるユニークな住教育が見られた。(3)学校週5日制に向けて子どもの地域生活を支援するため、福井県では大学が中心となり、行政・地域・地元産業界が連携した「大学子ども開放プラン」による住環境教育実践が行われ、テーマごとに6-7回のプログラムを組んで実施され、子どもが遊び感覚で自然や歴史・環境などについて学べる体験学習が中心で、生き生きと活動している様子がうかがえる。(4)高知県では重要伝統的建造物群保存地区の中学校総合的学習における住教育実践では高知の高温多湿、台風襲来の気候風土の中で保存されてきた土佐漆喰・水切瓦・低棟型の商家の美しい町並み学習を通して地域の歴史や風土、生活・文化などを総合的に学ぶことをねらいとした。学習には地域の町並み保存会が協力し、地域連携型の住教育実践となっている。(5)大分県別府市小学校総合的学習のボランテイアガイドと連携したまちあるき学習事例が取り上げられ、地域で多様な活動をしている住民組織・竹瓦倶楽部の協力により行われ、校区ガイドマップづくりや路地裏新聞の発行などに取り組み、地域と学校の連携教育が進んでいる。(6)都市地域におけるマンション居住に関する住教育実践が福岡県の大学と山口県の中・高校家庭科で試みられ、授業評価の比較検討を行った。マンション管理に関する知識・関心については深めることが出来たが、内容と方法については今後の課題である。第二に住まい・まちづくり教育のための支援ネットワークづくりに関する活動事例における成果と課題について(1)北海道岩見沢市小学校の総合的学習において地元建築関係者・大学生・道庁職員などの協力による「住まいづくり体験塾」を契機に「住まい・まちづくり学習推進会議」が発足した。この様な支援組織は住まい・まちづくり学習を継続的に推進するために有効であるが、各組織の役割の明確化などが必要となる。(2)1999年発足の北海道住教育研究会から北海道住まい・環境教育研究会、北海道住まい・環境教育学会へ発展した組織では教材作成や公開授業・研修会など多彩な活動が行われており、今後住まい・まちづくり学習を継続し普及させるためには組織基盤を強固にしていくことが重要である。(3)近年、住まい・環境・まちづくり学習においてNPOが大きな役割を果たし、特にNPOと公教育との連携が総合的学習などにおいて増えており、教育活動の継続のためにNPOの財政基盤の強化・活動の質的向上などの課題が挙げられる。第三に地域性を生かした住教育実践においてこれまで不十分とされてきた教材開発を各地域で進めた。写真やスライド教材、また副読本やペーパークラフトなど多様な教材がある。内容は気候風土・産業・歴史・文化等が異なる地域の住まいや町並み、また現代住宅や住宅地、高齢者・若者定住住宅など多様な住まいや町並みが取り上げられている。これらの教材がより一般的に活用できるよう互換性のある教材制作の課題が残されている。
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