研究概要 |
本研究は,海外の建築プロジェクトにおける建築生産関係主体間のクレームレターの収集・分析を通じて生産関連主体間のリスク分担のメカニズムを検証し,役割分担のありようを検討することを目的としている。 1.クレームの発生,解決メカニズムに関する理論的検討 主に海外の建築クレームに関する既往研究・文献から建築クレームのタイプ,原因,特徴を整理した。また,クレームレターのやりとりのもととなる契約約款,契約条件書,紛争解決手段について検討を加えた。 2.海外建築プロジェクトにおけるクレームレターの実態の系統的分析 典型的な海外の建築プロジェクトの契約管理におけるクレームレターの実態分析結果をもとに,建築プロジェクト編成との関係からクレーム・マネジメントの特徴,各主体間のリスク分担のメカニズムについて系統的に整理した。 3.海外実務経験者によるクレーム・マネジメントの評価 海外におけるクレーム・マネジメント実務経験者に対するヒアリング調査を行い,クレーム・マネジメントの効果と限界について検討を行った。また,蓄積されたクレーム・マネジメント技術について日本国内における展開可能性について整理した。 4.まとめ 以上の分析を踏まえて,多様な発注・契約・調達方式が採用されつつある日本の建築生産システムの中で,プロジェクトの関わる各関係主体間の透明化された役割分担関係のありようを前提とした日本型のクレーム・マネジメントの課題を整理した。
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