研究課題/領域番号 |
13650697
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
西田 雅嗣 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (80198473)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ロマネスク建築 / キリスト教建築 / シンボリズム / 霊性 / 平面構成 / 尺度論 / 寸法 / プロポーション |
研究概要 |
1.実測データの図面化と調査データ整理:補足調査の結果も含めて概ね手許にある実測データの図化は完了した。完成した実測平面図の総覧の結果、多くのものが従来流布している図面に見られる以上の歪みを示し、本研究における図化の意義が認められた。実測数値データについても整理を行い、数値データの比較検討が行えるようになった。 2.調査データのデータベース化:完全なデータベース化には至らなかったが利用可能な整理は行った。35mmポジスライドの大量の画像データは、順次デジタル化した。作成済み実測平面図のデジタル化は終了した。 3.現地補足踏査:平成13年度はスペイン、ポルトガル、イタリアの初期ロマネスク、末期ロマネスクの、平成14年度は、ル・トロネとセナンクのシトー会修道院について実測を含む補足的な現地調査を行った。正確な実測平面図、数値データが得られ、設計法と霊性表現の両義的プロポーションのあり方の仮説が確認された。 4.プロポーション分析:ロマネスクの設計法としての幾何図形の使用の検証は、遺構から確実に言うのは難しいことが判ったが、蓋然性としては否定できないことも判明した。寸法を通じて表れる数、尺数が、当時の尺度単位の扱い方さえ間違えなければ、当時の心性として極めて重要な数象徴を介して、ロマネスク建築の多くを語ることが判った。設計法としての技術的意味の数と、数象徴を伴った霊性の表象との両義的プロポーションであり、寸法を様々なレベルでの建築的表象として捕らえ、当時の建築の意味を理解すると言う、今後の研究の新たな展望につながる視座を得た。 5.フランスの大学でのセミナーに於ける口頭発表も含め、比較的多くの研究成果の公表の機会を活用できたが、発表論稿の大半は、寸法を通じて表れるプロポーションの両義的姿の重要性を明らかにすることに関係する論稿となった。
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