研究課題/領域番号 |
13650709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
岡崎 禎子 弘前大学, 理工学部, 助教授 (10003328)
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研究分担者 |
古屋 泰文 弘前大学, 理工学部, 教授 (20133051)
宮永 崇史 弘前大学, 理工学部, 教授 (70209922)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 急冷凝固法 / 超磁歪 / Fe-29.6at%Pd / Fe-15〜17at%Ga / Co_2NiGa / [100]集合組織 / センサ / アクチュエータ素材 / 形状記憶合金 / 超磁歪合金 / Acoustic Elastometer / 磁性形状記憶合金 / 液体急冷凝固法 / Fe-Ga / 微細柱状組織 / Fe-Pd合金薄帯 / (100)集合組織 |
研究概要 |
本研究の目的は、複雑で、小型なロボットやマイクロマシーン等作製に不可欠な、多機能材料センサ/アクチュエータ素材の開発である。磁場誘起によりマルテンサイト双晶界面の再配列を起こさせる新機能型磁性形状記憶合金は、熱弾性に較べ応答が速く、遠隔操作により巨大な歪を発現できる。 この目的を達成するため、単結晶・低温で巨大磁歪を発現するFe-Pd,Fe-Pt,ホイスラータイプのCo_2NiGaおよびFe-Ga合金に液体急冷凝固法を適用して結晶界面を制御することにより、生活環境温度(室温〜373K)で巨大磁歪を発現させた。 1)Fe-29.6at%Pd,Fe-23at%Pt合金:単結晶やバルク材ではマルテンサイト相の出現が室温以下に限られるのに対して、急冷凝固リボン材は生活環境温度において、1800(Fe-29.6at%Pd),420(Fe-23at%Pt)ppmに達する超磁歪の発現に成功した。これは、急冷凝固法により作製されたリボン材は、膜厚方向に[100]に強く配勾した粒径約1〜3μmの微細柱状組織を形成していることに起因する。特に、Fe-29.6at%Pdの微細結晶中には、柱状組織と平行に、30〜40nmのマルテンサイト双晶が箔のようになっているころが判明した。この微細なマルテンサイト相は応力誘起によるものであり、変態温度を高温まで上昇させる考える。 2)Co_2NiGa合金:磁性形状記憶合金Ni_2MnGaは低温・単結晶で超磁歪を発現するが、脆性のため実用化が困難である。Ni_2MnGaと同じホイスラー構造を持つ強磁性体Co_2NiGaは、電子濃度を制御することによりMs温度を上昇させる可能性をもつ。我々は、この合金を急冷凝固法でリボン材化し、マルテンサイト相を350K〜400Kまで上昇させ、大きな形状回復効果と磁歪の発現を確かめた。 3)Fe-17at%Ga合金:単結晶で300ppmの大磁歪をもつが、脆性のため加工が困難である。急冷凝固法で作製された多結晶薄帯は、延性を持ち、約200ppmの大磁歪を発現した。 以上の結果から、急冷凝固Fe-29.6at%Pd、Co_2NiGaおよびFe-Gaリボン材は、磁歪材料Terfenol-D(Te_<0.27>Dy_<0.73>Fe_2)を凌ぐ、多結晶超磁歪材料であり、大きな磁気弾性エネルギーを発現することから、センサ/アクチュエータ素材として大いに期待される。
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