研究課題/領域番号 |
13650741
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
山口 貞衛 千葉工業大学, 研究所, 教授 (80005892)
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研究分担者 |
湯上 浩雄 東北大学, 工学部, 教授 (60192803)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ペロブスカイト型酸化物 / プロトン伝導体 / プロトン伝導率 / 水素透過性金属膜 / 傾斜機能材料 / 燃料電池 / プロトン導電率 |
研究概要 |
燃料電池は、ネルンストの式により、1.23V以上の起電力が発生しない。それ故に、高出力の燃料電池を得るには、取り出し電流の増加に伴う作動電圧損失を可能な限り軽減する必要がある。我々は、プロトン伝導性酸化物を電解質として中間温度で運転する燃料電池の場合には、電圧損失の原因中で電解質の電気抵抗によるもの(iR ロス)の寄与が最も大きいことを明らかにしている。我々は、プロトン伝導性酸化物電解質の電気抵抗を減じて電池出力の増大を図るために、電解質の薄膜化と電解質組成の傾斜により生じる駆動力を利用する方法について検討を行なった。 プロトン伝導性酸化物薄膜を燃料電池の電解質に用いるためには、その破損を防止するために、電極材料により支持する必要がある。燃料電池の電極には燃料ガスや燃焼生成物ガスの透過が可能な多孔性であることが要求される。しかし、貫通孔のある多孔性材料の上に、酸化物薄膜を堆積することは至難の技であり、プロトン伝導性酸化物の薄膜化に成功した報告は未だ行なわれていない。我々は、多孔性材料の代わりに貫通孔のない水素透過性の金属薄膜を基板にして、プロトン伝導性電解質薄膜を作製する方法を検討した。そこで、水素透過性のPdやPd-Ag合金の薄膜が燃料電池のアノードに利用できることを確かめた上で、レーザービーム堆積法やスラリー法により水素透過膜上にBaCe_<0.9>Y_<0.1>O_<0.95>酸化物薄膜を作製した。この薄膜は充分にガスタイトであり、これを電解質に用いた燃料電池は約1.1Vの起電力を発生して安定に放電することを確認することができた。 傾斜組成のプロトン伝導性酸化物内水素化ポテンシャル勾配の駆動力による導電率の増大を調べるために、傾斜組成のBaCe_<1-x>Y_xO_<3-x/2>およびBa_3Ca_<1+x>Nb_<2-x>O_<9-3x/2>プロトン伝導性酸化物の直流伝導率測定とこれらの傾斜組成の電解質を用いた燃料電池の内部抵抗を測定した。いずれの場合においても、傾斜組成による導電率が増大する効果の存在を示す結果が得られている。
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