研究課題/領域番号 |
13650749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
花岡 良一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90148148)
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研究分担者 |
深見 正 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (60247434)
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ER流体 / ERゲル / シリコーンオイル / ヒドロシリル化反応 / ER効果 / 複素弾性率 / 損失正接 / 粘弾性挙動 / 粒子分散系ER流体 / シリコーン油 / ERシリコーンゲル / 粘弾性特性 / 粒子の鎖状 / 無機・有機複合構造 |
研究概要 |
ER流体の重要な問題点である「粒子分散安定性」、すなわち静置状態における粒子の沈降問題を解決する一つの手段として、ER流体をゲル化することが提案され、新規ER材料として分散系ERゲルが作製された。しかし、初年度に作製されたERゲルは電流密度が多少大きかったため、実用的にはまだ問題を抱えていた。そこで、本年度は、無機物のみで構成される板状アルミナ粒子を分散した新たなERゲルの作製に取り組み、電界印加時における電流密度を極力抑制した分散系ERゲルを創製し、電気伝導特性、ER効果、及び粘弾性特性を詳細に測定し考察した。得られた結果は以下のように要約される。 1.新たに作製したERゲルは、初年度に作製されたゲルに比べて電流密度の値が約1/100以下であり、かつ十分なER効果が得られることから、実用面で消費電力の問題がかなり改善される。 2.無電界時(E=0)におけるERゲルの剪断弾性率Gは、通常のゲル状物質より小さく、ポアソン比は約0.46であった。これより、作製したERゲルが極めて柔らかい材料であり、ゴム状物質や液体に近い性質を持つことが分かった。 3.正弦波ひずみに対する剪断応力の振幅は、電界Eの上昇と共に大きく増加し、発現するER効果の強度(剪断応力値)は1kPaを越える。また、損失正接tanδと複素弾性率G*の特性から、作製したゲルは粘性要素の大きな材料であるが、粘弾性挙動を示すことが分かった。 新たに作製したERゲルの特性は、本研究の当初の目的にほぼ合致したものと言え、これによって、ERゲルを利用した応用装置を新規に設計することが可能となった。現在、擬似防音装置の設計・試作を行い、超低周波振動や騒音の抑制・制御を目的とした研究も同時に行っており、今後さらに発展させる所存である。
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