研究課題/領域番号 |
13650909
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
塚田 直史 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70292240)
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研究分担者 |
大井 秀一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00241547)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | パラジウム / 芳香環 / アルキン / アリル錯体 / トシル酸 / 触媒反応 / ベンゼン / シクロペンテノン / 一酸化炭素 / アルケニル化 / 1,4-ジエン / ジイン / テトラリン / インダン / トシル酸アリル / アリルアルコール |
研究概要 |
本研究では、πアリルパラジウム錯体へのアルキンの挿入を鍵段階とする触媒反応を利用し多置換芳香環の新しい効率的合成法の開発を行い、以下のことを明らかにした。 1.πアリルパラジウム錯体へのアルキンの挿入反応はこれまでほとんど知られていなかったが、我々は、錯体が脱離性の高い配位子を有する場合その反応が速やかに進行することを見いだし、それを触媒合成反応に利用することに成功した。つまり、用いるアリル前駆体の脱離基が極めて重要であり、トシル酸アリルを用いると触媒反応が効率的に進行することを明らかにした。本反応では、一分子のトシル酸アリルと二分子の内部アルキンから五置換ベンゼンが得られる。また、末端アルキンを用いた場合、適切な配位子を選択することにより高い位置選択性で三置換ベンゼンを合成することができる。 2.反応機構について検証、考察を行った。他の反応機構は完全には否定できないが、得られた実験事実はすべてπアリルパラジウムへのアルキンの挿入を鍵とする反応機構と矛盾する点が無かった。 3.上記反応においてトシル酸無水物を添加剤として用いることにより、より安価で入手容易なアリルアルコールをトシル酸アリルの代わりに直接利用できることを見いだし、その有用性を高めることができた。 4.本反応を一酸化炭素存在下行うと、芳香環は生成しないが天然物、医薬品等の基本骨格の一つであるシクロペンテノンを一段階で合成することに成功した。また、アルキンをアルケンに置き換えるとアリル化合物のアルケニル化が効率よく進行することを見いだした。
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