配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
シクロペンテン-1,3-ジオールのモノアセテート(1)は両エナンチオマーとも簡単に入手できることから新しいシンロペンタノイド合成の出発物質として魅力的である。本研究では,これに炭素求核剤を位置選択的かつ立体選択的に反応させる試薬の開発を行った。さらに,生理活性化合物の合成も行い,モノアセテート(1)からシクロペンタノイドを合成する有力な方法であることを実証した。具体的には,以下の成果を挙げた。 (1)CH_2OH等価体としてi-Pro(Me)_2SiCH_2MgClに注目し,モノアセテート(1)との反応でtrans 1,4-異性体およびtrans 1,2-異性体を作り分ける条件を見いだした。これらの生成物をH_2O_2で処理するとCH_2OHを側鎖としてもつシクロペンタノンが効率よく合成できた。 (2)1つ目の炭素団を導入後,五員環上に残っているアリルアルコールの反応性を活用し,2つ目の炭素団を導入する反応条件を検討し,S_N2プライム型反応の成立する条件を見いだした。 (3)モノアセテート(1)にアリール基(芳香環)を導入する試薬としてArCu(CN)(MgClを開発した。 (4)エピジャスモン酸生合成の上流に位置する12-oxo-PDAは2つの側鎖がcis配置をとり従来法では合成困難であった。我々は本研究を通して見いだした反応を活用して12-oxo-PDAの立体選択的合成に成功した。その後,この合成法を活用して,OPC:8-0ならびにOPC-6:0の合成にも成功した。 (5)PPARγアゴニスト活性を示すΔ^<12>-PGJ_2の合成では,Pd触媒存在下,モノアセテート(1)にマロン酸エステルを反応させた生成物を脱炭酸し,Wittig反応を行ない,五員環上の水酸基を酸化するとα側鎖の入ったキー中間体が合成できた。このエノンに対してアルドール反応・脱水を行いジエノン骨格を構築した。最後に保護基を除去するとΔ^<12>-PGJ_2が合成できた。
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