研究課題/領域番号 |
13650934
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上垣外 正己 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00273475)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | リビング重合 / ラジカル重合 / カチオン重合 / 水 / 金属錯体 / ルイス酸 / 懸濁重合 / 乳化重合 |
研究概要 |
本研究は、機能性高分子材料創成のための精密重合反応と、環境に対して低負荷な反応の両方を同時に実現する、環境適合型精密制御重合系の開発を目的とし、とくにカチオン重合とラジカル重合において、従来は不可能と考えられていた水中でのリビング重合の開発を行ったものである。 1.水系リビングカチオン重合 生長末端の共有結合種としてC-OH結合を用い、水に対する安定性が高く、酸素親和性の高いBF_3を触媒として用いると、水存在下でも、種々のスチレン誘導体のカチオン重合が進行し、分子量、分子量分布の制御が可能なことを見出した。水が多量に存在する系では、p-メトキシスチレンの懸濁カチオン重合が可能で、分子量10,000以上、分子量分布1.5程度のポリマーが得られ、カチオン重合では初めて、水中で、高分子量ポリマーの精密合成が可能となった。少量の水を含む有機溶媒中での重合では、カチオン重合制御が困難であったp-クロロメチルスチレンに対して、末端C-OH結合の選択的活性化に基づく精密制御重合が可能となった。 2.水系リビングラジカル重合 遷移金属錯体によるリビングラジカル重合を、水に対して安定な炭素-ハロゲン結合と金属錯体を用いて行うことにより、種々のモノマーの水中リビングラジカル重合が可能なことを見出した。例えば、鉄錯体では、水に対して安定なハーフメタロセン型錯体を用いると、種々のアクリル酸エステル、スチレンの水中懸濁リビングラジカル重合が可能となった。分子量は100,000程度、分子量分布1.2程度の、分子量が精密に制御されたポリマーが得られた。また、ルテニウム錯体では、イオン性あるいはポリエチレングリコール鎖を有するホスフィン配位子を導入することにより、メタクリル酸エステルの水中懸濁リビングラジカル重合が可能で、重合後の触媒の除去が容易に可能となった。
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