研究課題/領域番号 |
13650951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平井 諒子 京都大学, 化学研究所, 助手 (20156623)
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研究分担者 |
辻 正樹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (60172003)
堀井 文敬 京都大学, 化学研究所, 教授 (70124758)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 酢酸菌 / セルロース / 透過型電子顕微鏡(TEM) / 走査型電子顕微鏡(SEM) / 原子間力顕微鏡(AFM) / 固体高分解能NMR / リボン状セルロース集合体 / 帯状セルロース集合体 / 固体高分解能NMR法 / リボン状セルロース / ナノ紡糸 / 電子顕微鏡 / 電子回折 / X線回折 / セルロースII |
研究概要 |
1個の酢酸菌は28℃の標準培養条件下では、菌体の長軸の方向に40-60nm幅の1本の右巻きにねじれたリボン状集合体を排出する。しかし、4℃の低温で培養すると、多数のstrand状のセルロースからなる帯状集合体が、菌体の長軸に垂直な方向に押し出されること、またstrandの数の異なる「密な構造」と「粗な構造」の2種類が生成することを見出している。本研究では、これらリボン状および帯状セルロース集合体の構造を精密解析し、セルロースの分子集合状態を明らかにすることを目的とした。下記のような結果を得た。 1.透過型電子顕御鏡(TEM)観察により、「密な構造」の帯状集合体の各strandは6-9nmx10-22nmの大きさであることがわかった。低温での制限視野電子回折および微小部電子回折測定を行った結果、「密な構造」の帯状集合体は、セルロースIIの結晶に対応する赤道上の3つの反射が観測できるが、「粗な構造」の場合は結晶の反射は観測できなかった。 2.4℃の低温培養と同様に、寒天培地上でも「密な構造」の帯状集合体が生成することを利用して、X線回折用の試料を作製し、その微結晶サイズを求めた。各赤道方向の反射に対する微結晶サイズは、6.6-8.2nmであった。この値は、セルロースIIの結晶構造を有する再生セルロースである銅アンモニア繊維や高濃度の水酸化ナトリム水溶液で処理したマーセル化バクテリアセルロースの微結晶サイズの約1.4-2.5倍であった。 3.リボン状および帯状セルロース集合体の同一試料を、原子間力顕微鏡法(AFM)とTEM法の2方法で測定することを試み、その測定方法を確立することが出来た。3次元構造などより多くの情報を得ることが出来た。 4.「密な構造」の帯状集合体の固体高分解能^<13>C NMRスペクトルを測定した結果、化学シフト値はセルロースIIの結晶構造を有する銅アンモニア繊維の値とほほ同じであり、結晶化度は約50%であった。
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