研究課題/領域番号 |
13650959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
安部 明廣 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50114848)
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研究分担者 |
比江島 俊浩 東京工芸大学, 工学部, 講師 (30288112)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ポリL-グルタメート / ポリL-アスパルテート / ヘリックス・コイル転移 / ヘリックスらせんセンスの反転 / 分子内水素結合 / リエントラント等方相 / 単分散PBLG / 側鎖末端基の化学修飾 / ペンタフルオロフェネチル基の導入 / らせんセンスの反転 / ヘリックス-コイル転移 / ^2H-^1H交換法 / p-クロロベンジル基の導入 / 蛍光顕微鏡法 |
研究概要 |
1.ペプチド合成機を用いて単分散PBLG資料(25〜50量体)を調整し、有機酸存在下におけるヘリックス-コイル転移の観察から、α-ヘリックスの末端と中央部の挙動の違いを検討した。その結果、多くの論文で引用されている「α-ヘリックス部分とコイル部分の変換は早いので、単分散試料では、転移領域の化学シフトは平均化されて単一ピークとして観察される」という1972年の永山らの報告とは異なり、いずれの試料もCHCl_3/DCA混合溶媒中で全転移領域にわたって二重ピークを示すことが結論された。分子内転移機構に関する重要な論点であり、現在試料の単分散性の確認、化学シフトの定量化などを含めて再確認の実験を行っている。 2.ポリ(L-アスパラギン酸エステル)の側鎖構造を化学的に修飾し、溶媒適応性を変えることにより、α-ヘリックス状態におけるらせんセンスの逆転現象にどのような変化が起こるかに注目した。ポリ(β-p-クロロベンジルL-アスパルテート)(P p-ClBLA)では、昇温時の右から左への転移温度にはあまり変化はなかったが、有機酸存在下における降温時の右から左への転移は現れず、先に詳細に検討したPPLAとの違いは明らかであった。さらに、PPLAのフェネチル基の末端のベンゼン環を全フッ素化したポリ(β-ペンタフルオロフェネチル L-アスパルテート)(PFPLA)では、試料はエステル、ケトン系溶媒に可溶となり、温度上昇時の右から左への変換点はPPLAなどの80-90℃に対して0-20℃にまで下がることが分った。このことは、分子内水素結合の性質が、溶媒の極性などの影響で敏感に変化することを示唆しており、(i)に於ける水素結合の共同性の理解の難しさとも対応している。一方、安定ならせん転移を示すPPLAの転移機構については、古屋らとの共同研究で、各種重水素化ブロック共重合試料を用いた^2HNMR解析により、転移がN末端から優先的に起こることを確認して学術誌に報告した。PPLA以外の系でも転移の機構は同一と思われる。
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