研究課題/領域番号 |
13650982
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
資源開発工学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 高敏 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (00184664)
|
研究分担者 |
山本 晃司 石油公団, 石油開発技術センター, プロジェクト研究員
林 一夫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | ボーリング / 引張き裂 / 水圧破砕 / 熱応力 / き裂干渉 / き裂リンク / 室内実験 / 液体窒素 |
研究概要 |
DTF(Drilling Induced Tensile Wall Fracture)は坑井壁面にしばしば観測される、軸方向にエシェロン状に並ぶき裂状構造である。その名の示す通り、引張破壊によってそのような構造が形成されると考えられているが、単に岩体の層構造が際だって見えているだけという批判もあって詳細は不明である。しかし、DTFが本当に引張で形成されたものだとすると、場合によってはDTFが合体(リンク)、拡大成長して大量逸泥に至る可能性がある。一方、DTFの向きや深度の情報から地殻応力を評価できることが示されており、それらの事項を考える上での前提となるDTF形成機構の解明が望まれている。そこで本研究では、まず理論解析を行い、円孔の応力集中と泥水と岩体間の温度差ΔTによる熱応力によってDTFが発生し、き裂干渉によってDTFがリンク、成長するというモデルと各プロセスに至るために必要な条件を明らかにした。その結果、地殻応力状態に応じて坑井の向きを変えることでDTFの発生と成長を抑制できる可能性が明らかになった。そこで、室内実験を実施してDTFを実際に造り、理論モデルとの比較検討を行った。ただし、実験ではDTF発生挙動を直接観察できるように模擬岩体として200mm角のアクリル樹脂ブロックを用い、直径20mmの模擬坑井に約-200℃の液体窒素注入することで温度差ΔTを加えた。この結果、フィールドで実際に観測されているDTFのように坑井軸から傾斜し、ほぼ等間隔に並ぶき裂群が形成され、条件によってはき裂同士が互いにリンクするように成長することがわかった。また、そのき裂形成とリンク挙動は上述のモデルにほぼ従うことがわかった。
|