研究課題/領域番号 |
13660006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
富田 因則 鳥取大学, 農学部, 助教授 (70207611)
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研究分担者 |
安室 喜正 鳥取大学, 農学部, 教授 (50026374)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ムギ類 / トランスポゾン / 転移酵素遺伝子 / Revolver / 進化 / 染色体 / DNAマーカー / 分子評価 / コムギ近縁種 / 多重遺伝子族 / レトロトランスポゾン / LTR / BARE-100 / 逆位反復配列 / 挿入配列 / エキソン多型 |
研究概要 |
モデル生物(ヒト、シロイヌナズナ、イネ等)におけるゲノム解析プロジェクトの進展にもかかわらず、世界人口の最も多くを支えるコムギのゲノム(16,000Mb)には多大の未知領域が残されている。ムギ類からゲノムの主要な構成要素をなす新規のトランスポゾンRevolverを発見し、ムギ類の分子育種と遺伝資源の評価のためのDNAマーカーを開発した。コムギの近縁種ライムギのゲノムからコムギと共通する配列を削除する方法でライムギに特異的に存在する因子の一部をクローニングし、さらに、これを含む複数のゲノムDNAクローンの塩基配列を解析することにより、両末端にトランスポゾンに特有の逆位反復配列を持つ3041bpのトランスポゾン様因子の全体構造を決定した。さらに、トランスポゾンが内部にコードしている転移酵素遺伝子のcDNA(726bp)をクローニングした。このトランスポゾンは既知のトランスポゾンやレトロポゾンとは全く構造が異なり、これまで見いだされていない独特の構造をもち、全生物のDNAデータベースにない新規の遺伝因子であり、Revolverと命名した。Revolverは栽培コムギの祖先種、一粒系コムギ、タルホコムギや近縁のライムギ、ダシピルムには最大一万コピーが染色体全域に散在しており、転移酵素の遺伝子が活発に発現している。ところが、Revolverは普通コムギのゲノムにはほとんど存在せず、コムギの祖先種から栽培種への進化の過程で消失していた。このように、Revolverはムギ類ゲノムの進化において増幅と消失という興味深い変化を示しており、コムギ育種の遺伝子源である近縁野生種をはじめとする資源植物の進化、分類、系統を分子評価するための新たな指標となり、網羅的なマーカー開発のためのPCRのエントリーポイントを与える。ムギ類では従来、染色体末端に局在する縦列型反復配列がクローニングされていたが、ゲノム全域に散在するクローンは無く、網羅的なマーカーの開発は不可能であった。Revolverの転移酵素遺伝子は3個のエキソンに渡ってコードされており、第2、第3エキソンの配列が保存されているのに対して、第1エキソン部分には挿入や欠失が生じた3つのサブファミリーが存荏する。これらのサブファミリーはライムギ、ダシピルム、一粒系コムギ、タルホコムギに種属を越えて保存されていた。また、ライムギの栽培種から、第3エキソンは持つが、5'側に全く異なる短いエキソン(98bp)を持つ395bpのクローンが見いだされ、他方、ライムギの野生種からはさらに短いエキソン(86bp)を持つcDNAクローンが見いだされた。栽培種、野生種間におけるRevolverのエキソン部分の長さの違いをPCR法で検出することにより、野生種由来のストレス耐性遺伝子を含む系統を同定することができた。また、Revolverの非自律性因子をライムギの染色体にSTS化して、染色体マーカーを開発した。Revolverはムギ類の機能ゲノム研究、分子育種に有用である。
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