研究課題/領域番号 |
13660020
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
弦間 洋 (2002) 筑波大学, 農林学系, 教授 (70094406)
福島 正幸 (2001) 筑波大学, 農林学系, 助教授 (50015806)
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研究分担者 |
福島 正幸 筑波大学, 農林学系, 助教授(平成14年退官) (50015806)
弦間 洋 筑波大学, 農林学系, 助教授 (70094406)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ブルーベリー / アントシアニン / 高品質果実 / MAP / 雨よけ栽培 / Fertigation / 収性量 / 夏季剪定 / 抗酸化 / 鮮度保持 / HPLC / アグリコン / 品質評価 / Vaccinium |
研究概要 |
高品質ブルーベリーを生産する上で、その特性を明らかにする必要がある。さらに潜在的な品質を維持するための栽培法についても検討を要する。そこで、果実劣化を防止する目的で雨よけ栽培を試みた。その際、ハウス下での樹の生育特性を知る必要があるので、果実収穫後に地上部1.2mで切り返し処理(夏季剪定)を行い、翌年の再伸長ならびに花芽形成率を調査した。その結果、ブルーベリーにおける夏季剪定は、'ウエイマス'・'アーリーブルー'等の樹勢が旺盛で二次枝発生数や伸長量の多い、かつ花芽形成率が高い品種で有効で、晩生品種のように夏季剪定の時期が遅れる場合や、樹勢の弱い品種では適正な剪定量を検討するなどの方策が必要とされることを明らかにした。さらに各品種の収量性を経年的にみて、ラビットアイブルーベリーでは'ティフブルー'、ハイブッシュブルーベリーでは'ウエイマス'・'バークレイ'・'ディキシー'などが優れていることを、10〜20年間の調査から判定した。 新品種の導入も重要である。ここでは、ニュージーランド産のハイブッシュブルーベリー'Nui'・'Puru'・'Reka'の栄養特性を調査した。その結果、液肥を用いたfertigation方式で樹の乾物重が最も優れ、通常の固形肥料による施肥区と比べ、2〜3倍の成長量を示した。このように本方式での増収の可能性を示唆した。 収穫後の果実の鮮度保持は、高品質ブルーベリーを市場に供給する上でも重要である。20μm厚のPE(ポリエチレン)フィルムで包装(MAP)したところ、可溶性固形物量はMAPで高く保持され、酸度には差がないものの、甘味比は成熟果でPE包装で0.86を示した。官能テストではPEのみの包装果実が多孔質練り込みPE包装果実に勝った。糖質はフラクトースとグルコースがほぼ1:1で存在したが、未熟果では経時的に漸増するいずれの糖質もMAPで高く保持された。一方、成熟果ではMAPの有無に係らず漸減した。アントシアニン含量は未熟果では採取当初と比較して、保蔵期間中に飛躍的に増加し、成熟果では緩やかに増加したが、未熟果、成熟果とも、MAPによってその増加が抑制される傾向が認められた。MAPによる鮮度保持効果を明らかにすると同時に、個別のアントシアニンの増減を認め、主要な構成アントシアニンの代謝についても言及できた。これらの知見は高品質ブルーベリーの生産ならびに品質保持のための基礎資料として今後、有用されると思われる。
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