配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
本研究においては,マイクロプロトプラストを用いた形質導入をユリ科花卉園芸植物の育種に応用することを最終目的として,その前段階として以下の3点について検討を行った. (1)カルスおよび懸濁細胞培養系の確立 アガパンサスおよびムスカリにおいて高い植物体再生能力を保持したカルス培養系を確立し,また,オオバギボウシにおいて高い植物体再生能力を保持した懸濁細胞培養系を確立した. (2)プロトプラスト培養系の確立 (1)で誘導されたカルスを材料に用いて,アガパンサスおよびムスカリにおけるプロトプラスト培養系を確立した.しかしながら,現在までのところ,両植物種におけるプロトプラストからのカルス形成およびプロトプラスト由来クルスからの植物体再生に関する効率は十分に高いとは言い難く,今後は培地条件などをさらに検討する必要があると考えられた. (3)マイクロトブラスト調製方法の確立 ヘメロカリスの懸濁培養細胞を材料に用いて体細胞由来マイクロプロトプラストの調製方法を確立し,一方テッポウユリの減数分裂時の花粉母細胞を材料に用いて配偶子由来マイクロプロトプラストの調製方法を確立した.体細胞由来マイクロプロトプラストの調製と配偶子由来マイクロプロトプラストの調製とを比較すると,ユリ科花卉園芸植物においては後者の方がより実用的であると考えられた. 本研究ではマイクロプロトプラスト融合による染色体添加系統の作出までは至らなかったが,ここで確立されたカルスおよび懸濁細胞培養系,プロトプラスト培養系,およびマイクロプロトプラストの調整方法は,今後,ユリ科花卉園芸植物においてマイクロプロトプラストを用いた形質導入を行う際に非常に有用であると考えられる.
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