研究概要 |
1.花弁培養による花色変異の拡大 Hoarea節に属し,黄色花を有する数品種(P. rapaceum (R), P. appedicullatum (A)およびP. oblongatum(O)など)の開花前の花弁(蕾長4〜10mm)を外植体に用いて花弁培養(基本培地: White培地)を行った.カルス形成は,種により多少の差異が見られたものの,概ね良好であった.形成されたカルスからの器官分化には,MSおよびLSを基本培地に,NAA, Kinetin, TDZおよびCasamino acids, Peptone, Tryptoneの添加の有無と添加量による組合せで,検討した.ホルモンフリーおよびTDZ添加がシュート形成に効果が見られたものの,形成率はまだ低く,今後さらに培養条件を検討する必要がある. 2.種間交雑による花色の変異拡大 Hoarea節内種間交雑を行い,多数の種間雑種を作出した.また,Hoarea節とPelargonium節との間では胚珠培養を併用して節間雑種を作出した.これら個体の多くは形態的観察から両者の中間的形質を示しており,雑種の可能性が高い.今後,開花特性や花型・花色などの諸形質を詳細に調査し,自家受粉および戻し交雑などにより後代を得て,新品種を育成する.
|