研究概要 |
マラリアのモデルベクターであるハマダラカ・Anopheles stephensiより、コアクティベータ・CREB-binding protein (CBP)、核内レセプター・estrogen-related receptor (ERR)、ダイオキシンレセプター(aryl-hydrocarbon receptor, AhR)、およびダイオキシンレセプターヘテロ2量体形成のパートナー・arylhydrocarbon receptor nuclear translocator (Arnt)のcDNAクローニングと完全長ORFの決定を行った。蚊のCBP cDNAは全長10974bpで、3658残基のアミノ酸をコードするORFを持っていた。蚊のERR cDNAは全長3516bpで、505残基のポリペプチドをコードしていた。蚊のAhRのcDNAにはスプライスバリアントである3種のアイソフォームが存在し、それぞれAsAhR-a,-b,-cと名付けた。AsAhR-aおよび-cは、980残基強の長いポリペプチドをコードしていたが、AsAhR-bはORFが538残基と短くC末端側が大きくtrancateされたものであった。蚊のArnt cDNAにはN末端付近のみが異なる2種類のアイソフォームが存在した。配列解析の結果、これら蚊の因子には脊椎動物の対応するホモログとの類似性が認められたが、いずれもショウジョウバエのホモログともっとも類縁性が高かった。
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