研究課題/領域番号 |
13660063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
横田 博実 静岡大学, 農学部, 教授 (50115458)
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研究分担者 |
森田 明雄 静岡大学, 農学部, 助教授 (20324337)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | アルミニウム / チャ / 生育促進効果 / 酸化ストレス / 抗酸化系 / 抗酸化系酵素 / フェノール類代謝 / 老化 / シュウ酸 / フェノール類 / 細胞壁 / 活性酸素 |
研究概要 |
本研究は、アルミニウム(Al)によるチャの根の生長促進効果を明らかにするために、チャの挿し木苗、種子根および培養細胞を用いてさまざまな面から検討した。概略、以下の結果を得た。 1.チャの挿し木苗、種子根、および培養細胞ともにAlによる生長促進効果が認められた。また、リン酸レベルを変えてAl処理しても促進効果がみられたことから、この促進効果はリン酸とは関係しない、Alのみよるものと考えられた。 2.チャの脂質過酸化がAl処理によって減少したことから、Alが脂質過酸化を軽減すると推定した。培養細胞と種子根では、活性酸素の一つである過酸化水素の含量がAl処理によって減少した。また、挿し木苗、種子根および培養細胞において、抗酸化系に含まれる酵素、カタラーゼ、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ、およびスーパーオキシドジスムターゼの活性がAl添加によって増加する傾向を示し、Alが活性酸素の減少に貢献していると推定した。 3.Al処理によって、フェノール代謝系が影響を受けた。すなわち、鍵酵素であるフェニルアラニンアンモニアリアーゼ活性がAl処理によって挿し木苗と種子根で減少した。リグニンと細胞壁結合性フェノール類の含量もAl処理によって減少した。 4.以上の結果から、詳細は不明であるが、チャでは、Alによって抗酸化系が活性化して過酸化水素が減少し、このことが膜の安定性に貢献していると考えられた。また、Al処理による過酸化水素の減少は、フェノール類の減少にもつながり、結果として老化を抑制すると考えた。これらの現象が、Alの処理と無処理の生育差(促進効果)を引き起こす要因であると推定した。
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