研究課題
基盤研究(C)
真核細胞中のゲノムDNAは、ヒストンと結合したヌクレオソームを基本単位としたクロマチンを形成して核内に凝縮して収納されており、このクロマチン構造の変化が遺伝子発現や染色体の複製・分離に重要な役割を果たすことが明らかになっている。ヌクレオソーム構造の破壊や再構築を行うクロマチンリモデリング複合体や、ヒストンの特定の部位をアセチル化修飾することでクロマチン構造を変換するヒストンアセチラーゼ複合体が発見され、これらが原因と考えられる疾病も報告されている。このような複数の複合体の中には、様々なアクチン関連タンパク質(Actin-Related Protein ; ARP)が含まれており、Arp6もヒストンバリアントであるH2AZをヌクレオソームに導入する活性を有する複合体の構成因子であることが最近報告された。クロマチン免疫沈降によって、我々は出芽酵母Arp6がテロメア近傍に存在すること、またarp6欠損によって、テロメアサイレンシングに関与するタンパク質Sir3のクロマチン上での局在が変化することを示した。この結果は、Arp6が正常なテロメア機能の維持に必要であることを示している。また、ヒトhArp6と相互作用するタンパク質hTPR1が、細胞質と核をシャトルしていることを示した。hArp6は細胞周期間期の細胞で常に核に存在することから、hTPR1の核-細胞質のシャトルがhArp6の機能制御に関与している可能性が考えられる。さらにArp6を含む複合体を部分精製した。これらの研究の一部は、海外共同研究者であるDr.Ulrike Wintersbergerの研究室を訪問し、共同で実験を行った。
すべて 2003 2002 2001 その他
すべて 雑誌論文 (18件) 文献書誌 (20件)
Biochem.Biophys.Res.Commun. 301
ページ: 521-528
Biochem.Biophys.Res.Commun 299
ページ: 328-334
Nucleic Acids Res 30
ページ: 1743-1750
Biosci.Biotechnol.Biochem 66
ページ: 1740-1743
Cytogenet.Genome Res 99
ページ: 236-244
Biosci.Biotechnol.Biochem. 66
Nucleic Acids Res. 30
Biochem.Biophys.Res.Commun. 299
Cytogenet.Genome Res. 99
Biochim.Biophys.Acta 1522
ページ: 130-133
Chromosome Res 9
ページ: 457-467
Gene 268
ページ: 133-140
Chromosoma (Berl.) 110
ページ: 102-114
Chromosoma(Berl.) 110
Chromosome Res. 9
Biochim.Biophys.Acta. 1522