研究課題/領域番号 |
13660096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
渡邉 啓一 佐賀大学, 農学部, 教授 (40191754)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | サチライシン / 低温活性 / 低温酵素 / 好冷細菌 / プロテアーゼ / タンパク質安定性 / 構造進化 / 低温適応 / βターン / タンパク質変性 |
研究概要 |
本研究は、南極産好冷細菌由来の低温適応酵素の構造と低温活性発現との関係を明らかにすることを目的とした。 1、極産好冷細菌Pseudoalteromonas sp.AS-11由来サチライシン型プロテアーゼApa2の構造と活性低温適応酵素は一般に低温で高い活性を示し熱安定性が低い。しかし、Apa2はサチライシンBPN'と比較して低温活性が高いばかりでなく、熱安定性も高いことが明らかになった。'BPN'に対するApa2の相対活性は低温になるほど大きくなり、0℃の比活性は9.9倍高かった。一方、Apa2の変性速度はBPN'より遅く、大きな変性の活性化エンタルピーとエントロピーを示した。これらのApa2の特性は、低温活性発現に必要な柔軟性を生み出す構造要因を熱安定性と区別して考えることができることを示唆している。成熟Apa2のホモロジーモデリングを行った結果、Apa2の高い熱安定性は分子内S-S結合、より大きな塩橋の数、Ca^<2+>の結合に起因しており、低温適応はループ領域における高い構造の柔軟性に起因していることが示唆された。 2、サチライシンCarlsbergのβ8-9ストランド間の柔軟性と活性及び熱安定性との関係 サチライシンCarlsbergのβ8-9ストランド間はPTN配列の安定なβターン構造をとっているが、低温適応酵素ではより柔軟な構造をとっている。そこで、この領域の柔軟性を上げた変異体を作成し、活性や熱安定性を調べた。その結果、β8-9ストランド間ターンの柔軟性を上げることにより未変性状態のエントロピーが高くなり、それと共に活性は高く、逆に熱安定性は低くなることが分かった。また、変異体の酵素反応の活性化エンタルピーは小さかった。この傾向は低温適応酵素にみられるため、β8-9ストランド間ループの柔軟性が低温での高い触媒活性に寄与していることが明らかになった。
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