研究課題/領域番号 |
13660121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀尾 文彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20165591)
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研究分担者 |
伊藤 浩行 近畿大学, 医学部, 教授 (60113148)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アスコルビン酸 / ODSラット / アスコルビン酸欠乏 / 急性期タンパク質 / 炎症 / インターロイキン-6 / ケモカイン / サイトカイン / ビタミンC |
研究概要 |
(1)アスコルビン酸の新たな生理機能を示す、ODSラットのアスコルビン酸(AsA)欠乏初期に見られる炎症様応答 AsA合成不能のODSラットに、AsA無添加飼料を与えて12〜14日目には成長もほとんど変化がないにもかかわらず、肝臓の急性期タンパク質の発現上昇と、炎症性サイトカインであるインターロイキン-6の血中濃度の上昇が起こることを見い出した。 さらに、炎症性ケモカインであるCINC-1の肝臓でのmRNAレベルの上昇も確認された。インターロイキン-6やCINC-1遺伝子の発現を上昇させる転写因子であるNFκBの活性化も、AsA欠乏により促進されていた。 (2)ODSラットのアスコルビン酸(AsA)欠乏初期に見られる肝臓のNFκBの活性化の機序に関する検討 AsA欠乏による肝臓でのNFκBの活性化の促進は、腸管からの門脈血中へのエンドトキシンの流入が増加したためではないかという仮説をたて、その実証を試みた。しかし、門脈血中のエンドトキシン濃度を測定した結果、AsA欠乏による上昇を確認することはできなかった。さらに、エンドトキシン源である腸内細菌を抗生物質投与により除去したODSラットにおいても、AsA欠乏による肝臓の急性期タンパク質の発現上昇は明確に観察された。よって、この仮説以外の機序を考察する必要がある。 (3)AsA合成不能高血圧自然発症ラット(SHR-od)のAsA代謝の特性 我々が独自に開発し、我々の研究室でのみ繁殖、維持しているSHR-odは、同じくAsA合成不能であるヒトの高血圧症に対する貴重な疾患モデル動物である。正常血圧のODSラットに比べて、SHR-odの組織AsA濃度と血中AsA濃度は明らかに低く、尿中へのAsA排泄量も少なかった。これらの結果はSHR-odでは体内AsAの分解が亢進していることを示しており、SHR-odでは酸化状態が進行していることを示唆する結果も得た。そして、この現象は、高血圧症下でのAsA要求量の増加の可能性を示している。
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