配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
1.分光反射率測定とNDVIによる植生評価:植生解析にはNDVIが常用されている。今回、NDVIの根拠であるレッドエッジの性能を評価すべく連続分光スペクトル測定を波長を変数として微分をした。当然、レッドエッジで大きなピークが観測されるが、このピークが植物(ここではキャベツ)へのストレスで短波長側にシフトし、かつピーク値も大きくなっている事が分かった。すなわち、植物へのストレスがレッドエッジ、従ってNDVIに反映されている事を確認した。しかし、このスペクトル微分では0.5μm付近でもピーク値があり、同ストレスに対するこのピーク値の変化の方がレッドエッジでのそれよりも高感度であり、この波長での新たなNDVIの定義の方が有効である事を見出した。 2.分光偏光度特性による植生状態の評価、およびNDVIとの関係:植物(キャベツ)へのストレスに対するNDVIと分光偏光度の計測感度の比較を行った。因子分析により663,1450nmを選択し、これら2波長での分光偏光度特性とNDVIとのストレス負荷後の反応比較では、NDVIでは19日後、1450nmの分光偏光度では10日後、663nmの分光偏光度では7日後に一定の変化が現れた。すなわち、分光偏光度がNDVIに比べて日数で3倍程度、感度が良い事を示している事が分かった。 3.分光偏光度画像計測とその植生活力度評価への応用:簡易CCDカメラに帯域フィルタと偏光フィルタをセットし、分光偏光度画像を取得した。植物葉を点で計測するのと葉全体の偏光度画像をパターンとして観測するのとは情報の質と量に大差がある。キャベツやジキタリスにストレシを与えて分光偏光度画像を測定し、これを普通のカラー画像を参照し、比較した。ジキタリスの葉表面はちぢみ状態であり、偏光度画像がカラー画像に比して有用な情報を先行的に得る事は出来なかった。一方、キャベツ葉では、Blue, Green, Red, Infrared間の葉全体のデータを使ったB, G, R, Iの組み合わせで相関係数を求め、これをストレス日数との関係で日変化を見るとこの挙動に大きな差異が確認できた。ストレスなしではB-G, R-Iの相関係数の日変化が類似し、別にB-I, G-I, B-Rが類似した。また、この2グループの日変化の挙動は逆傾向にある。しかし、各種ストレスが加わるにつれて、これらの関係や秩序が順次、乱れて錯綜する。すなわち、カラー画像では確認できない植物へのストレスを、偏光度画像の相関係数とその時間的挙動は捕らえていた。 4.植物の活力度測定とは:研究計画の最終年度にあたり植物の活力度測定について再考した。従来のリモートセンシングによる植生計測・植生解析は人間で言えば「人口密度調査」であったと考える。これに対して植生の「活力度計測や評価」とは人間の「健康診断、体力測定」に対応するもので、この視点からのアプローチが必要である事に気がついた。森林がどれだけ元気かは単に森林密度やクロロフィル量(人間なら人口)だけで定義できるものではなく、別冊の研究報告に述べる様な、新たな視点と計測・評価方法が必要であると言う考えに気がついた。
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