研究課題/領域番号 |
13660191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
井田 齊 北里大学, 水産学部, 教授 (90050533)
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研究分担者 |
須能 紀之 茨木県内水面水産試験場, 河川部, 主任
林崎 健一 北里大学, 水産学部, 講師 (80208636)
根本 隆夫 茨城県水面水産試験場, 河川部, 主任
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | アユ / 成長 / 陸封 / DNA / 耳石 / 食性 / 遺伝的多様性 / 鰓耙長 / 成長率依存的死亡 / 霞ヶ浦 / 日周輪 / 陸封化 / アロザイム / EPMA / 餌料生物 |
研究概要 |
霞ヶ浦水系のアユは、アロザイム分析により霞ヶ浦水系で増殖したアユは遺伝的に海系アユに極めて近いことが明らかとなった。しかし、近隣河川の海系アユとは対立遺伝子組成が少し異なり、クラスター分析により海系アユとは別のグループを形成した。少数標本について、電子線プローブマイクロアナライザーにより耳石のSr/Ca比を調べたところ海に降りていないことが確認された。霞ヶ浦湖内において、稚魚期初期は、かいあし類ノープリウス幼生、オナガミジンコ属等の小型プランクトンが主要餌料であったが、その後、成長に伴い霞ヶ浦におけるプランクトンの中心であるケンミジンコ目へと変化した。更に5月の後半以降ではより大型の餌料であるイサザアミヘの変化が見られた。流入河川恋瀬川において、アユの餌料は遡上初期より付着藻類が主体であったが、遡上初期の5月では、昆虫等も捕食しており餌料種類数も多かった。耳石日周輪の間隔から個体の成長を推定し、霞ヶ浦水系アユと近隣の海産アユの成長を比較した。その結果、水深が浅いゆえに湖内で水温の低下が著しい冬期2月頃に成長が極めて低下し、耳石には輪紋が観察されない透明帯が形成されていた。一方春から初夏にかけての成長は急速で海に降りたアユを凌駕した。湖水は海よりも水温の上昇が急速で、かつ餌となる動物プランクトンも豊富であることによると考えられた。その結果河川遡上期には海に降った海産アユと同程度以上の体長に成長していた。透明帯を形成していない1月までに採られたアユ仔稚魚の日輪数からふ化日を推定したところ、10月から11月と推定された。また、生まれ時期ごとに月間の成長率を比較したところ、冬を越えた後のものの方が秋に獲られた魚より成長率が有意に高かった。マイクロサテライトおよびミトコンドリアDNA分析の結果、水系内の遺伝的多様性は近隣の海産集団と大差なくビン首効果が働いた形跡は認められなかった。
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