研究課題/領域番号 |
13660214
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩本 純明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40117479)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 田園アクセス権 / 国立公園法 / 田園レクリエーション / 農村ツーリズム / 入浜権 / 環境権 |
研究概要 |
テーマに係わる史料・データ収集を主として以下の2カ所で行った。 イギリスにおける田園アクセス団体の歴史資料:イギリスにおける田園アクセス運動をリードしてきたフットパス保全協会(現、オープン・スペース協会)の機関誌など主要出版物、および国立公園委員会(現Countryside Agency)の年次報告を収集した。 入浜権運動関連史料:兵庫県高砂市における入浜権運動史料を、運動の担い手であった高砂緑地研究会、ならびに兵庫県立図書館で収集した。 以上の資料収集をふまえて、主としてイギリスにおけるアクセス権関連史料の整理・分析を行った。まず、田園アクセスについて記述している既存研究をもとに、田園アクセス関連年表を作成した。年表には出典も示し、今後の研究の参考となるものとした。 主な知見は以下の如くである。 (1)イギリスで最も古いアメニティ団体であるフットパス協会は、大都市部の入会地を開発から守ることを主眼として組織された。入会地を保全するために「協会」が採用した方法は、囲い込みに反対する訴訟を提起することだった。訴訟で争われたのはまず入会権者の慣行的権利であったが、同時に公衆一般(とりわけ入会地近隣の居住者)の入会地利用の実態についても重大な関心が払われた。 (2)入会地への公的アクセス権の根拠づけについて協会は2面作戦をとった。第一は、アクセス権が古くからの慣行として持続されてきた点を強調した。第二は、産業化・都市化が進行した現在、公衆のレクリエーション空間として入会地が極めて貴重な役割を果たしている点を強調した。その意味で、協会の入会地保全の論理は、農業上の意義よりも公共のレクリエーション空間としての意義を前面に押し出したものとなっていった。
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