研究課題/領域番号 |
13660221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
横川 洋 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30007786)
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研究分担者 |
横山 秀司 九州産業大学, 商学部, 教授 (60240222)
辻 雅男 (辻 政男) 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90284554)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 農耕景観 / 適切な農業活動準則 / 直接支払い / 環境支払い / 農業環境プログラム / 景観 / 農学資源認識 / 農業の環境便益 / 汚染者負担原則 / 共同負担原則 / 景観生態学 |
研究概要 |
首尾一貫した農業の環境便益の理解は、地理学の空間概念の農耕景観を取り込むことによって可能となる。農業活動が農産物の生産と農耕景観(農業空間)形成との結合生産であるという客観的事実が証明され、景観構成要素の無機的要素(土壌、水、空気)、有機的要素(植物、動物)及び両者が織りなす美的要素に関して、農業活動(内部経済)は外部経済、外部不経済の外部効果を及ぼすことが客観的に明示されるからである。 外部経済と外部不経済は連続し、その境界を「適切な農業活動準則」と呼ぶが、その水準は自然科学的にだけでなく、農耕景観に対する農家の財産権に配慮して政治的に、現状に近い水準に決まる。この準則は全農家が遵守すべきものであるから、経済学的には農業活動の与件となり、準則に規定される投入資材の集約度の範囲で農業活動の競争が行われる。法律的にはこの準則は罰則を伴う法律として制度化される。この制度化が推進される背景は環境政策一般に言う汚染者負担原則の適用のためだけでなく、税金からの環境支払い(直接支払い)の透明性確保のためである。国民の環境意識の向上に伴う農業活動への環境要件の強化は準則以上の農業活動の集約度低下(粗放化)を要請するから、農家に対して粗放化による経営の損失の補填と粗放化への誘導インセンティブを支払う環境支払いを必要とするが、その場合の支払い基準となる準則の厳格化、制度化が透明性確保のために迫られるからである。環境支払いは強制参加と任意参加の2方式がある農業環境プログラムの中で粗放化技術の水準に応じて行われるが、技術指定プログラムの弱点と面積当たり一律支払いの弱点を克服する努力も傾注されている。 新しい農業技術論は、環境便益を生み出すにもかかわらず、内部経済の効率性を追求する近代技術が無視してきた「土台技術」を意識化し、対象化し、経済評価することによって形成される。
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