研究概要 |
1.太陽電池パネルと風力発電機の設置 南向きの平坦地に50W/ユニットのシリコン単結晶型の太陽電池を6ユニット設置した。地上高は約2m,夏冬,春及び秋の太陽高度の変化に対応するために水平面からの仰角を3段階に調節可能とした。風力発電機は周囲に障害物がない場所で高さ約4mの鋼管の上に取付けた。 2.発電量の計測 太陽電池ユニットの発電量と全天日射量の関係を計測した。発電電圧と充電電流(カレントトランスを利用)は,目視計器による発電量モニターで監視すると同時に,USB接続型のAD変換器を通してオンライン・リアルタイム計測を行った。その結果,これら2つの間には強い相関が見られた。日射量が約1kW/m^2の時,1ユニットの発電電圧は15.9V,電流が3.15Aであり,約50Wの出力であった。単位面積当たりに換算した発電力と発電効率は各々約139W,13.9%であった。 3.太陽電池の比較 太陽電池にはシリコン単結晶型とアモルファス型の2種類を供試し,種類の比較・検討を行った。また,太陽電池の受光面を常に太陽に正対させるように追従させた場合の効率の検討も行った。太陽電池の受光面の違いから単結晶型の方が発電効率が良好なことが分かったが,四季を通じて追跡調査する必要があり今後も継続して測定を行う。太陽電池の受光面を常に太陽に正対させる方法と南向き固定で運用する方法との比較では,朝夕の太陽高度が低く,日射量が低下する状態でも追従により,発電効率が改善されることが分かった。 4.自律走行車両 電動式運搬車は直進動作のみのため,ラック&ピニオン式のステアリング機構と乾式単板電磁クラッチによる動力の接・断による旋回機構を組み込んだ。更に,走行径路の取得に地磁気センサーを,外乱の検出にシリコン振動ジャイロを用い,自律走行の実験と音響信号を用いた車両位置の推測についての実験を行い,良好な結果を得た。
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