研究課題/領域番号 |
13660273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
日野 常男 明治大学, 農学部, 教授 (50012050)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ルーメン微生物 / 硝酸・亜硝酸還元 / メタン抑制 / Selenomonas ruminantium / Veillonella parvula / Wolinella succinogenes / メタン生成菌 / 競合PCR / Selenomonas ruminantim / Wolinella succinogene / プロトゾア / 硝酸還元酵素 / 乳酸 |
研究概要 |
1)ルーメン微生物混合系における硝酸・亜硝酸還元に及ぼすプロトゾアの影響 混合バクテリア区分に混合プロトゾア区分を添加したところ硝酸還元が速くなり、それ以上に亜硝酸還元が速くなった結果、亜硝酸の蓄積が減少した。これはプロトゾアによるH_2と乳酸の生成によるものであり、プロトゾアは易発酵性基質を一旦貯蔵し緩徐に分解するため、特に亜硝酸が蓄積する時期に硝酸・亜硝酸還元菌にH_2と乳酸(電子供与体)を供給する点が重要であると考えられた。 2)Selenomonas ruminantiumの硝酸還元速度および硝酸還元醇素に及ぼすエネルギー基質の影響 主要硝酸・亜硝酸還元菌、S.ruminantiumの硝酸還元の速度は菌体あたりの硝酸還元酵素(NaR)の量よって左右されると考えられた。また、菌体あたりのNaR含量は増殖速度とは逆の関係にあった。硝酸還元速度(NaR含量)と菌体内のATP濃度およびNADH/NAD比の間に相関関係があったことから、NaRの合成はエネルギーと電子の供給に応じて調節されていると考えられた。更に、NaRの合成は硝酸により高められた。 3)競合PCR法によるルーメン内の硝酸還元菌数の測定 ヤギのルーメン内では、硝酸・亜硝酸還元菌の中で、S.ruminantiumが最も多数存在し、Veillonella parvula、およびWolinella succinogenesの数は非常に少なかった。しかし、後者の2菌の数は高硝酸飼料の給与により増加した。 4)硝酸還元ルーメン菌の硝酸・亜硝酸還元能、並びにメタン生成に及ぼす硝酸還元菌の影響 上記の3種の硝酸還元菌は硝酸および(または)亜硝酸の還元と共役した電子伝達リン酸化によるATP獲得機構を持ち、しかも亜硝酸の毒性に対する耐性が高いことが明らかとなった。従って、これらの菌は硝酸含量の高い飼料の給与により他のルーメンバクテリアよりも有利に増殖すると考えられた。一方、メタン生成菌は他菌よりも亜硝酸に弱いことが判明したので、ルーメン内における硝酸還元菌の数を増加させれば、発酵を阻害しない程度の亜硝酸の作用と硝酸・亜硝酸還元による電子の消費により、メタン生成を抑制できると考えられた。
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