研究課題/領域番号 |
13660278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
志賀 瓏郎 岩手大学, 農学部, 教授 (20003783)
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研究分担者 |
岡田 啓司 岩手大学, 農学部, 助教授 (60233326)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 乳牛 / 新生子牛 / 白痢 / 飼料組成 / 代用乳 / 脂肪酸組成 / ミネラルバランス / ビタミンA, E / 母乳性白痢 / 牧草 / ミネラル含量 / 消化不良 |
研究概要 |
本研究は、出生後間もない乳牛の子牛に多発する母乳性白痢の発症要因について、発症要因を解明し、防除方法の確立するため、以下の研究を行なった。 1.各種酪農家および牧場での白痢の発症に関するアンケート調査では、いずれも白痢を体験し、その原因は代用乳にあることを示唆しており、(1)飲ませ過ぎ、(2)哺乳温度が低い、(3)消化不良、(4)細菌感染、等が挙げられた。また、白痢に対する対処療法としては、(1)下剤投与、(2)製品変更、(3)保存初乳給与、(4)ぬるま湯給与、(5)抗生物質等薬物投与、等が行なわれた。 2.白痢の発症要因と考えられた代用乳について、各種酪農家および牧場で使用していた8種類の代用乳と生乳(対照)の脂肪酸組成およびミネラル組成を比較した。(1)生乳に比べて代用乳はC_<10:0>〜C_<14:0>の短鎖および中鎖脂肪酸が著しく低く、C_<16:0>〜C_<18:3>の中鎖および長鎖脂肪酸は著しく高かった。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比は、生乳が0.46に対し、代用乳は0.91〜1.16と不飽和脂肪酸の割合が著しく高かった。(2)ミネラル含量は生乳に比べ代用乳はK、Cl、Pが高く、バランスとして陰イオンが多く、pHが低かった。 3.母牛への給与飼料成分の違いが乳質に及ぼす影響を調べるため、濃厚飼料多給時と放牧を含む粗飼料給与時の母乳としての乳汁の脂肪酸組成、ミネラル組成およびビタミンAとE濃度を比較した。牧草給与時は、濃厚飼料多給時に比べ、乳脂肪中の不飽和脂肪酸の内C_<18:1>とC_<18:2>の割合が多く、KとCl濃度が高く、Na濃度が低かった。また、ビタミンAとE濃度が著しく高かった。 以上の結果から、生草を給与した母乳は、子牛にとって、脂肪酸とミネラルの組成のバランスがとれ、ピタミンAとEを豊富に含む最適の栄養源であり、白痢の発生を防除するものと考えられる。代用乳の使用に際しては、母乳組成に近いものが好ましい。
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