研究課題/領域番号 |
13660297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
武脇 義 岐阜大学, 大学院・連合獣医学研究科, 教授 (00021717)
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研究分担者 |
志水 泰武 岐阜大学, 農学部, 助教授 (40243802)
海野 年弘 岐阜大学, 農学部, 助教授 (90252121)
小森 成一 岐阜大学, 農学部, 教授 (70195866)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 循環動態 / 血流調節 / 交感神経 / 内皮細胞 / 相互作用 / 冬眠 / 細動脈 / 末梢抵抗 / 末消血流 / 神経 |
研究概要 |
生体の循環調節は、交感神経や内皮細胞が重要な役割を担っているが、これらの相互作用メカニズムに関しては未だ不明である。本研究ではこのような相互作用が交感神経と内皮細胞の間に存在するかどうか、またその調節機構についても腸管膜動脈標本を用いて細胞内微小電極法により検索した。1)機能的な神経支配の開始は3週齢の個体で、発現し、8週齢以上の個体で成熟する結果を得た。また、血管支配神経の主要な情報伝達物質はATPであることが明らかとなった。2)内皮由来の過分極電流は細胞間連絡ではなく内皮依存性拡散因子であるが、一酸化窒素やプロスタサイクリンではないことを明らかにした。3)末梢血管抵抗に関連が深い再動脈において交感神経終末から遊離した神経情報伝達物質が内皮細胞のプリン受容体P2Yを活性化し、内皮性過分極因子を遊離することにより過分極に続いて弛緩を誘発させた。4)内皮性過分極因子による交感神経調節効果を調べると、交感神経の情報伝達物質であるATPの遊離を抑制したが、ATPによる平滑筋直接作用には無影響であった。5)冬眠下の末梢循環調節について調べると冬眠時には心拍数・呼吸数・末梢血流量は正常時の1/50〜1/8に著しく減弱し、弾性型の太い血管は拡張・筋型の末梢血管は収縮状態にあることを見出した。動脈血管はプリン作動性とノルアドレナリン作動性の興奮神経支配を受けていると共に内皮細胞性の抑制性支配下にもあるが、冬眠時ではプリン作動性興奮神経支配が主体であり、内皮細胞性の抑制支配は著しく減弱していることを見出した。以上、本研究は、交感神経性のプリン作動性およびノルアドレナリン作動性興奮神経と内皮細胞との間には血管緊張を調節する上で直接的な相互作用が存在することを初めて明らかにしたもので、循環系の局所血流調節機構を解明する研究の発展に寄与するものと思われる。これらの相互作用は、抵抗血管における局所血流調節において重要な役割を担っているものと推察される。
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