研究課題/領域番号 |
13660301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
杉元 康志 鹿児島大学, 大学院連合・農学研究科, 教授 (10100736)
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研究分担者 |
松元 光春 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30157383)
青木 孝良 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70034460)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | オボアルブミン / セルピン / 形熊形成 / S-オボアルブミン / 分子シャペロン / 鶏胚 / 形態形成 / 鶏発生 / DSC / ニワトリ / プロテアーゼインヒビター / 熱安定性 / 構造変化 / タンパク構造 / 胚発生 |
研究概要 |
鳥類の発生においては卵白の特異的な存在があり、それを構成する卵白タンパク質はアミノ酸源、栄養素輸送、生体防御因子としてその機能が論じられてきたが、オボアルブミンは胚の形態形成に関係する因子であることが明らかにした。オボアルブミンはタンパク構造がセルピン(セリンプロテアーゼインヒビター)ファミリーであるが、その機能は不明であった。オボアルブミンは発生中、その一部は消化されることなく、胚組織に移行することを明らかにした。また、オボアルブミンは発生過程でそのタンパク構造を変化し、熱安定型に転換することから、この構造変化が機能発現に重要であると考えた。オボアルブミンの生理機能の解明の過程で、ニワトリ胚を寒天培地で発生させるin vitro培養系を確立し、この系を使って胚からオボアルブミンを除去する方法を作成した。オボアルブミンをノックアウトした場合、原始線条期胚では致死に、神経形成期胚では神経管の閉鎖の阻害、体節形成や心臓形成にも多くの異常が見られた。異常な胚はオボアルブミンを再び添加すると回復され、正常な発生をするからオボアルブミンは形態形成・分化に重要に関与すると結論した。オボアルブミンは酵素などのタンパク質に共存させると、酵素の活性を安定化させる分子シャペロン様効果を示した。オボアルブミンの機能型は熱安定型オボアルブミンであると結論した。以上にように、オボアルブミンは新しいタイプの母性由来の形態形成因子であり、タンパクの構造の変化が機能発現に重要に関係することが本研究で明らかになった。今後、オボアルブミンがどのような機能を持ち、形態形成などの発生に関与するかに興味が持たれ、本研究は発生生物学の分野で大いに貢献できた。
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