研究課題/領域番号 |
13660311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
苅和 宏明 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70224714)
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研究分担者 |
有川 二郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10142704)
水谷 哲也 国立感染症研究所, 主任研究員 (70281681)
高島 郁夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30002083)
福島 博 島根県保健環境科学研究所, 感染症科, 主任研究員
土屋 公幸 東京農業大学, 農学部, 教授 (30155402)
ANDO Shuji Toyama Institute of Health, Chief Researcher
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | げっ歯類 / ハンタウイルス / 腎症候性出血熱 / ダニ媒介性脳炎 / フラビウイルス / ダニ媒介脳炎ウイルス / ウイルス性脳炎 / 病原性 |
研究概要 |
本研究ではげっ歯類を病原巣動物とする人獣共通感染症のうち、ハンタウイルス感染症とダニ媒介性脳炎を対象に主にげっ歯類を中心に疫学調査を行い、両感染症の日本における感染状況を明らかにすることを試みた。 まず、北海道、宮崎県、富山県、島根県、でげっ歯類の捕獲調査を行い、捕獲されたげっ歯類についてハンタウイルス抗体の検出を試みた。北海道では捕獲されたげっ歯類のうち、,エゾヤチネズミとドブネズミで抗体が検出された。特に千歳空港で捕獲されたエゾヤチネズミと小樽港のドブネズミに抗体が検出されたことから、空港と港湾でのネズミ類の防除対策の強化が必要と考えられた。北海道のエゾヤチネズミが保有するウイルスを分離するために、様々な動物にウイルスを接種して最適な動物種を探索したところ、スナネズミが実験動物の中でも最も感受性が高かった。そこで、スナネズミにエゾヤチネズミの材料を接種して2回継代し、さらに培養細胞に接種したところ、接種細胞中にウイルス抗原とウイルス遺伝子が検出され、分離に成功したことが確認された。さらに本ウイルスのS遺伝子とM遺伝子の全長の塩基配列の決定により、それぞれの遺伝子がコードする核蛋白と糖蛋白のアミノ酸配列が明らかになった。本ウイルスの核蛋白と糖蛋白のアミノ酸配列は最も近縁と考えられていたヨーロッパのPuumalaのウイルスとそれぞれ5%と10%の相違があり、本ウイルスが独立したウイルス型に属するものと考えられた。 また、ダニ媒介性脳炎の抗体測定にはこれまで中和試験が主に使用されてきたが、危険度の高い生きたウイルスを用いたことや、時間がかかるなどの欠点があった。そこで、ウイルス遺伝子を含まない非感染性のウイルス様粒子(VLP)を作出し、VLPを用いたELISAを開発した。本法により、ダニ媒介性脳炎患者の抗体を安全で迅速に検出することが可能になった。
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