研究課題/領域番号 |
13660322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
笹井 和美 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (70211935)
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研究分担者 |
松林 誠 大阪女子学園短期大学, 食物学科, 助手 (00321076)
谷 浩行 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (00305658)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Cryptosporidium / 鶏型モノクローナル抗体 / 簡易鑑別診断法 / Giardia / 鑑別診断 / 感染防御 / クリプトスポリジウム / 迅速鑑別診断 |
研究概要 |
申請者らは、Eimeria acervulinaを抗原とした鶏型モノクローナル抗体(mAb)を6種作製した。このうちmAb 6D-12-G10は、Cryptosporidium parvumおよびC.murisのスポロゾイトと交差反応を示した。今回、in vitroで培養したC.parvumのメロゾイトとこれら鶏型mAbとの交差反応性を調べ、さらに、mAbが虫体の宿主細胞侵入を抑制するかどうかについて検討した。mAB 6D-12-G10は、C.parvumのメロゾイトとも交差反応を示し、侵入抑制率(%)は75.4±4.0出会った。抗Eimeria鶏型モノクローナル抗体6D-12-G10は、C.parvumの宿主細胞侵入に関わる抗原を認識している可能性が示唆された。 引き続き、申請者らは、クリプトスポリジウム(以下、CR)の簡易鑑別診断法の開発を目指して、鶏型モノクローナル抗体の作製を試みた。野外において、CRと水源に生息する珪藻類が市販のCR検出用キットにて交差反応を示すことから、交差性が報告されている珪藻をニワトリに免疫し、珪藻に対して免疫寛容を誘導し、その後、CRのオーシストを免疫した。珪藻類に寛容状態でかつ、CRオーシストに反応を示すニワトリから定法に従い、脾臓を採取し、ニワトリミエローマ細胞と細胞融合をすることにより、鶏型モノクローナル抗体の作製を試みたが、シングルクローニングの段階で、ハイブリドーマは抗体産生を停止し、現在、作製を継続中である。また、本学家畜病院にて、下痢症状を呈した飼い犬の糞便から、直接塗抹法によりGiardia(以下、Gi)の栄養体が検出された。メトロニダゾールにて駆虫を試みたところ症状は回復し、投薬後6日目にはGiも検出されなかった。糞便材料を詳細に検査したところCRのオーシストが見出され、本症例はGiとCRとの混合感染例であることが判明した。Giに対する駆虫効果とは対照的に、CRのオーシストは投薬後も排出され、メトロニダゾールはCR感染には効果がないものと推測された。また、CR分離株はPCR-RFLP法により、犬に特異的に検出されるC.canisと同定された。本症例は国内の飼い犬におけるCRの検出例としては2例目であり、Giとの混合感染例では初めての報告である。
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