研究課題/領域番号 |
13670006
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井関 尚一 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (50167251)
|
研究分担者 |
若山 友彦 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70305100)
天野 修 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (60193025)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 顎下腺 / 増殖 / 分化 / シグナル伝達 / CREB / 熱ショック蛋白質 / シスタチン / JunD / アンドロゲン / 生後発達 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
齧歯類の顎下腺の生後発達において、腺房部の増殖・分化は自律神経(βアドレナリン作動性)に、顆粒性導管の分化はホルモン(アンドロゲン)に依存するが、その細胞内シグナル伝達系は明らかでない。本研究で次のことが明らかになった。 1)ラット生後初期での顎下腺腺房細胞の増殖および思春期での顆粒性導管細胞の分化の両方において、細胞核に一過性に転写因子であるCREBが発現し、必須の役割を持つことが免疫組織化学およびアンチセンス抑制法により示された。2)腺房の増殖が終了する生後3〜4週に、腺房中心部の未分化細胞が腺房細胞に分化するとき、低分子量ストレス蛋白質である27kD熱ショック蛋白質(Hsp25)が一過性に発現することがわかった。3)腺房細胞における蛋白分解酵素阻害物質であるシスタチンS(cystatin S)の発現は、βアドレナリン作動性薬剤であるイソプロテレノール(IPR)の投与により誘導されることが知られている。下垂体切除ラットの顎下腺において、IPRによるシスタチンSのmRNA増加が著明に低下していること、これにテストステロン、エストラジオール、グルココルチコイド、チロキシンなどを投与すると、IPRの効果が著明に回復することが分かり、シスタチンS発現が神経と下垂体の2重支配を受けることがわかった。4)マウス顎下腺において、がん遺伝子産物で転写因子として働くJunDの発現は導管系細胞の核のみに局在すること、雄より雌マウスで発現が高いことがわかった。雌マウスにテストステロンを投与すると、JunD発現が線条部導管細胞で一過性に上昇した後、顆粒性導管細胞への分化とともに消失することが示され、導管系の分化にJunDが関与することがわかった。 以上の結果から、齧歯類の顎下腺における腺房および導管系の増殖や分化において、様々な細胞内シグナル伝達系の間に相互作用(クロストーク)があることが示唆された。
|