研究課題/領域番号 |
13670032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
戴 毅 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20330441)
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研究分担者 |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
徳永 敦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70254521)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ニューロパチックペイン / 遺伝子発現 / BDNF / サブスタンスP / NGF / GDNF / 後根神経節 / ラット / 脊髄神経 |
研究概要 |
神経線維に障害を受けた後に生ずる神経因性疼痛の発生メカニズムの一つとして、直接障害を受けなかった一次知覚神経細胞が機能亢進に陥るという仮説を裏付けるために、近年炎症状態の脊髄後角でのシナプス伝達亢進に重要とされる一次知覚神経細胞由来のBrain derived neurotrophic factorの発現を神経因性疼痛モデルにおいて調べた。そしてなぜ直接障害を受けていない一次知覚神経細胞がこれらの分子の発現を増加させるメカニズムの解明のため、NGFとGDNFの定量を後根、後根神経節、脊髄神経で検索し、次のような結果が明らかとなった。 in situ hybdization (ISH)及びimmunohistochemistry (IHC)による可視化と定量化を行うと、神経傷害を受けていないL4DRGにおいて、有意なBDNFmRNAの増加が観察された。 ELISA法を用いてNGFの定量化を行うと、L5脊髄神経の結紮により、L4後根神経節、脊髄神経において、NGF蛋白の増加が観察された。しかし、NGFmRNAの増加は非損傷のL4後根神経節では観察されなかった。同様にELISA法を用いてGDNFの定量化を行うと、L5脊髄神経の結紮により、L4後根神経節、脊髄神経において、GDNF蛋白の増加が観察された。しかし、GDNF mRNAの増加は非損傷のL4後根神経節では観察されなかった。 さらに、同じ知覚神経系の三叉神経系において、眼窩下神経切断による三叉神経第三枝領域の疼痛過敏モデルを用いて、非損傷ニューロンにおけるサブスタンスpの増加という新しい所見も見いだした。 以上の結果はニューロパチックペインモデルにおいて、非損傷ニューロンにおいてNGF及びGDNFの2種類の成長因子蛋白の増加が、非損傷ニューロンにおける標的遺伝子の一つであるBDNFやSPなどの発現調節に関与していることを示唆している。
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