研究課題/領域番号 |
13670046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
新里 直美 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00237645)
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研究分担者 |
丸中 良典 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (00127036)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | チロシンリン酸化 / クロライド輸送 / cAMP |
研究概要 |
腎遠位尿細管細胞由来培養細胞を用いて、cAMP刺激によるチロシンリン酸化を介したクロライド輸送制御機構の解明を目指した研究を遂行し、平成14年度には以下のことを明らかにした。 1.cAMP刺激はA6細胞において2相性の持続的なクロライト輸送を促進する。このクロライド輸送はチロシンリン酸化酵素阻害剤であるtyrphostin A23の前処理により、クロライドコンダクタンスの低下を伴って完全に抑制された。また、tyrphostin A23の不活性型であるtyrphostin A63によっては、何ら影響を受けなかった。この結果より、cAMP刺激により引き起こされるクロライド輸送は、チロシンリン酸化酵素による制御を受けていることが示された。 2.次に、cAMP刺激は、実際にチロシンリン酸化酵素を活性化し、チロシンリン酸化を変化させているかを、ウエスタンプロッティング法で調べた。cAMP刺激は、いくつかのタンパク質(〜60kDa,120〜130kDa,〜200kDa)のチロシンリン酸化を一過性に増大し、これらのタンパク質チロシンリン酸化がクロライド輸送制御に関与している可能性が示唆された。 3.さらに、cAMP刺激がチロシンリン酸化酵素を活性化するメカニズムとして、細胞容積変化による細胞膜張力変化を考えた。実際に、cAMP刺激を用いずに細胞膜張力をクロロプロマジンにより増大させると、チロシンリン酸化の増大とチロシンリン酸化酵素の活性化が引き起こされていた。 上記の結果より、cAMP刺激は細胞容積変化を介してチロシンリン酸化レベルを変化させ、そのことにより、経細胞クロライド輸送制御を行っていることが示唆された。
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