研究課題/領域番号 |
13670047
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
瀬尾 芳輝 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90179317)
|
研究分担者 |
村上 政隆 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10104275)
鷹股 亮 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (00264755)
伊藤 俊之 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90168360)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 脳室周囲器官群 / 脳弓下器官 / 終板器官 / 血液脳関門 / 縦緩和時間 / 磁気緩和試薬 / 水透過性 / MRI / 交連下器官 / 緩和試薬 |
研究概要 |
本研究は、脳室周囲器官群部位での血液脳関門(BBB)・脳脊髄液脳関門の水透過性を、明らかにすることを目的として実施した。 まず、NMRプローブ(高周波検出用コイル)を、ラット脳測定用に最適化し、高感度化・高均一度化した。測定パルスにAdiabatic pulseを導入することにより、視床下部・下垂体に至るまで高精度のT_1緩和時間測定を可能とした。正常のBBBを透過しない緩和試薬(Gd-DTPA)を血管内に連続投与し、血管内の水の緩和時間を短縮させた時、血管壁を介しての水の透過性が高ければ、水の交換により血管外組織の水T_1緩和時間は短縮される。Gd-DTPAを静注し、脳室周囲器官および脳実質各部位のT_1緩和速度を測定した。投与量を漸次増加していくと、BBBの堅固な皮質や視床では1/T1(0.7/s)は変化しなかったが、脳弓下器官(SFO)では1.5/sに増加し、1.5mmol/kg以上では一定値を示した。下垂体後葉やBBBの存在しない皮膚では、Gd-DTPA投与量に比例して1/T1が増加した(>10/s)。また、BBBを高張輸液により破壊した場合、脳実質やSFOでは1/T1の増加が認められたが、下垂体後葉や皮膚では変化しなかった。以上の結果より、正常なSFO毛細血管はGd-DTPAを透過せず、Gd-DTPA投与による1/T1の変化量(0.84/s)は、毛細血管を介しての水の交換速度を反映していると考えられる。毛細血管体積表面積比より、拡散透過係数は3.7x10-3cm/sとなった。この値は、腎直血管や筋毛細血管と同程度の値であり、BBBより10から100倍大きいことが明らかとなった。
|