研究課題/領域番号 |
13670064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
森本 恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (30220081)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 精神性ストレス / エストロゲン / 血圧 / Corticotrophin releasing hormone (CRH) / 血漿ノルエピネフリン / 血漿エピネフリン / テレメトリーシステム / 心拍数 / Corticotrophin releasing hormone(CRH) / 脳室内投与 / α-helical CRH / エストロゲン補充 / 性差 / 循環反応 |
研究概要 |
本研究では、雌雄の成熟ラットに、飼育ケージより別のケージへ移すという、環境変化によるマイルドな精神性ストレスである「ケージ交換ストレス」を与え、循環反応における性差とエストロゲンの影響、さらにそのメカニズムについて検討した。また、反復ストレス負荷による適応現象についても検討を加えた。 1.初回のケージ交換ストレス負荷による血圧上昇反応はオス群に比べ、メス群では減弱しており、性差が存在した。しかし、心拍数や血漿ノルエピネフリン(NE)・エピネフリン(Ep)濃度の増加反応には差がなかった。 2.1日60分間のケージ交換ストレスを3日間連続して負荷すると、オス群では2・3日目のストレス性昇圧反応は減弱し、適応現象がみられた。しかし、メス群では初回から昇圧反応が小さく、日間とも同程度の反応を示したが、卵巣摘出群ではオス群と同様の変化を示した。 3.雌ラットにおいて、卵巣摘出+プラセボ(P)群に比べ、エストロゲン補充(E)群では、ストレス負荷時の血圧・心拍数及び血漿NE濃度増加反応が有意に抑制されることが判明した。 4.Corticotrophin releasing hormone (CRH)(10μg)の脳室内投与による血圧増加反応は正常メス(NF)群に比べP群でやや増強し、E群で抑制される傾向を示したが、3群間に有意差はなかった。 5.ストレス性昇圧反応はNF群とE群ではCRH受容体拮抗薬であるα-helical CRH (10μg)の前投与による影響を受けなかったが、逆にP群では有意に増強した。 以上より、エストロゲンは環境変化に起因する精神性ストレス時の循環反応を減弱させることが判明した。そのメカニズムとして、雌ラットではストレス時の交感神経系の亢進を抑制する可能性が示唆された。エストロゲンがCRHによる血圧調節には関与するかどうかについてはさらに検討を重ねる必要がある。
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