研究課題/領域番号 |
13670070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 和人 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80146167)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 概日リズム / 視交叉上核 / バゾプレッシン / 細胞培養 / 周期 / 同調 / 培養 / GABA / 自由継続周期 / 興奮性アミノ酸 / VIP |
研究概要 |
哺乳類の概日リズムの中枢は脳内視床下部の視交叉上核(SCN)にある。固有の振動体を持つSCNの各細胞は互いに同調して一つのリズムを作っている。本研究では、この同調機構の解明に取り組む手始めとして、培養系を用いて視交叉上核の細胞間の相互作用とリズムの関係、同調因子と考えられているGABAのリズムに対する作用、SCN内での振動体の周期の分布を調べた。 培養SCN細胞は、集団としてAVP分泌リズムを示し、そのリズムは細胞が互いに近接しているほど明確であった。異なる位相を持つ細胞を共培養すると、片方の位相に他方が同調する現象が見られた。この同調には細胞間の接触は必要ではなく、液性因子の重要性が示唆された。 GABAはAVP分泌や電気活動を抑制したが、リズムに対する影響は多様であった。AVP分泌リズムに対しては主観的昼の後半から夜の前半にかけて位相の前進、主観的夜の後半から主観的昼の前半にかけて位相のわずかな後退が見られたが、主観的昼の前半で例外的に大きな位相後退を示す場合があった。個々の細胞の電気活動リズムについては、同じ時間帯に投与しても大きな位相変化を示す細胞とほとんど位相変化を示さない細胞があった。GABAのアンタゴニストはAVP分泌を促進したが、リズムそのものに対する影響は無かった。これらの結果から、GABAは細胞によってはリズムを変化させる場合があるが細胞集団のリズムはそれほど変化しないこと、視交叉上核に内在するGABAはAVP分泌を制御してはいるが同調因子としては働いていないことが示唆された。 SCNの切片を背側と腹側に分けて培養すると、両者ともAVP分泌リズムを示したが、背側の周期は腹側の周期より短かった。腹側の周期は視交叉上核全体の周期と差が無かった。このことから周期の短い細胞が背側に分布していること、背側のリズムは腹側の支配を受けていることが示唆された。
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