研究課題/領域番号 |
13670080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中谷 晴昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60113594)
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研究分担者 |
佐藤 俊明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60244159)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ATP感受性K^+チャネル / 細胞膜 / ミトコンドリア / 虚血・再灌流 / ischemic preconditioning / Kir6.1 / Kir6.2 / ノックアウトマウス / 活動電位 |
研究概要 |
心筋に短時間の虚血負荷を与えるとその後の冠動脈閉塞による心筋梗塞巣が減少する"ischemic preconditioning"という現象が存在する。この内因性の虚血耐性獲得の機序として、従来から細胞膜ATP感受性K^+(sarcK_<ATP>)チャネルの活性化が提唱されて来たが、ミトコンドリアにもある種のK_<ATP>チャネル(mitoK_<ATP>チャネル)が存在し、その活性化が虚血心筋保護により重要であるとする意見もある.そこで本研究では心筋細胞のsarcK_<ATP>チャネルが欠損しているKir6.2欠損マウスを用い、内因性の虚血耐性が保たれているか否かを検討した。また、この遺伝子欠損マウスの心筋細胞でのmitoK_<ATP>チャネルの機能についても検討した。 Kir6.2欠損マウスの心筋細胞ではsarcK_<ATP>チャネルの機能は消失していたが、mitoK_<ATP>チャネル機能は保たれていた。しかしながらischemic preconditioning現象はKir6.2欠損マウスで消失していた。また、Kir6.2欠損マウスの摘出灌流心では虚血・再灌流後の心機能の回復は野生型マウスの灌流心に比して悪かった。 次にK_<ATP>チャネルのもう1つのポア成分であるKir6.1の欠損したKir6.1ノックアウトマウスを用い、実験を行った。Kir6.1欠損マウスの心筋細胞においてはsarcK_<ATP>チャネルおよびmitoK_<ATP>チャネルの機能が保たれていた。しかしながら、その血管組織においてはK^+チャネル開口薬によって弛緩反応が観察されず、単離血管平滑筋細胞でK_<ATP>電流は活性化しなかった。さらに、Kir6.1欠損マウスではPrinzmetal型の狭心症による心臓突然死をおこした。 このようにKir6.2およびKir6.1はそれぞれ心筋および血管のsarcK_<ATP>チャネルとして非常に重要な働きをすることが明らかとなった
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