研究課題/領域番号 |
13670084
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
丹羽 雅之 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40156146)
|
研究分担者 |
小澤 修 岐阜大学, 医学部, 教授 (90225417)
松野 浩之 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40273148)
植松 俊彦 岐阜大学, 医学部, 教授 (50151832)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 神経障害 / アポトーシス / 線溶系因子 / ノックアウトマウス / 虚血-再灌流 / 興奮性アミノ酸 / 海馬 / 網膜 / 神経細胞死 / 線溶系 / 遺伝子制御 |
研究概要 |
小動物を用いたヒトの病態に近い、神経細胞障害(細胞死:アポトーシス)モデルを確立し、これに対する線溶系因子の関与を検討した。平成13年度にはi)前脳虚血-再潅流にともなう海馬錐体細胞の遅発性神経細胞障害がアポトーシスであることを明らかにし、ii)このアポトーシス発現への線溶系因子の関与を明らかにする目的で、線溶系因子の一つである組織型plasminogen活性化因子欠損マウス(tPA-/-マウス)を用いて検討したが、wildタイプとの有意性は観察されず、関連性は否定的であった。iii)虚血-再潅流にともなう網膜神経障害発現においてはtPAの関与は否定的であったが、興奮性アミノ酸のNMDA刺激に伴うアポトーシス発現は、tPA-/-マウスにおいて有意に減弱し、線溶系因子の関与が示唆された。 そこで平成14年度は、NMDA刺激に伴うマウス網膜へのアポトーシス発現への線溶系因子の関与をより詳細に検討した。 1)マウス眼内へのNMDA注入によるアポトーシス発現は、tPA-/-マウスではwildタイプに比べ、有意に減弱したが、これはtPAの眼内投与により解除された。2)今ひとつの線溶系因子である、ウロキナーゼタイプplasminogen活性化因子(uPA)欠損マウスならびに内因性のplasmin抑制因子(α2AP)欠損マウスにおけるNMDA刺激によるアポトーシス発現はwildタイプと差はなかった。3)plasminogen活性化因子に対する内因性の阻害因子(PAI-1)欠損マウスでのNMDA刺激に伴うアポトーシスはwildタイプに比べ有意に増大した。 以上の結果から、内因性tPAは神経障害発現因子として関与していることが明らかとなり、またその作用はtPAの線溶系活性とは異なる、NMDA受容体を介した新たなメカニズムにより発現していることが強く示唆された。
|