研究課題/領域番号 |
13670091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
徳冨 芳子 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (90253723)
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研究分担者 |
徳冨 直史 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (30227582)
西 勝英 熊本大学, 医学部, 教授 (00040220)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 平滑筋 / c-kit / マウス / 収縮 / 細胞内Ca^<2+> / ペースメーカー / α_1酸性糖蛋白質 / パッチクランプ法 / 等尺性張力 / ryanodine感受性Ca^<2+>放出 / caffeine / ryanodine / 細胞内Ca^<2+>貯蔵部位 |
研究概要 |
平滑筋臓器の機能におけるc-kit(レセプター型チロシンキナーゼ)の意義を明らかにするために、抗c-kit中和抗体(ACK2)を用い、平滑筋収縮機能の発達と細胞内Ca^<2+>シグナル系に対するc-kitの影響について、電気生理学的及び薬理学的に検討した。BALB/cマウス消化管より単離されたc-kit陽性細胞において、Ca^<2+>依存性の律動性Cl-電流が観察され、この電流が消化管ペースメーカーの起源の一つであることが示唆された。マウスにACK2を慢性投与すると、消化管自動能が障害され、さらにアセチルコリン、プロスタグランジンF_<2a>、ブラジキニンに対する薬物収縮応答が異常に増強された。組織化学的検討により、消化管内のc-kit陽性細胞の数が、ACK2処置マウスで激減し、その結果、律動性収縮が阻害されることが示された。ACK2処置マウス消化管の律動性収縮の阻害と薬物収縮応答の異常な増強は、未処置マウス消化管を25℃の低温環境に置くことによって再現することができた。これらの結果より、c-kit陽性細胞からの律動的な興奮性入力によって誘発された平滑筋細胞の律動的興奮および収縮が薬物収縮応答の強さを調節していることが示唆された。 炎症時の平滑筋収縮機能とc-kit機能との関連についての基礎的知見を得るために、炎症初期に血中で数倍増加することが知られているα_1酸性糖蛋白質(AGP)の血管収縮性に及ぼす影響について、マウス大動脈切片を用いて調べた。フェニレフリンで前収縮させた標本に対し、AGPは濃度に依存した一過性弛緩作用を示し、この弛緩作用は主に、血管平滑筋細胞へのCa^<2+>流入の遮断によることが示唆された。従って、急性炎症期における組織修復のメカニズムの一つとして、AGPによる血管弛緩作用が、末梢循環改善に寄与すると示唆された。
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