研究課題/領域番号 |
13670102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
金 徳男 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90319533)
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研究分担者 |
高井 真司 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (80288703)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | キマーゼ阻害薬 / 心筋梗塞 / 虚血再灌流 / 生存率 / 不整脈 / 心機能 / ハムスター / イヌ |
研究概要 |
1.心筋梗塞後の心臓組織のキマーゼ動態およびACE阻害薬とAII受容体拮抗薬の効果の相違 アンジオテンシン変換酵素(ACE)とキマーゼの両方のアンジオテンシン(AII)産生機構を持つハムスターにおいて梗塞後に、心臓ACEの活性化に加えて、心臓キマーゼの活性化も認められたがキマーゼの活性化はACEの活性化より早期でかつ長期にわたっていた。心筋梗塞後の死亡率と心機能はACE阻害薬の投与によっては有意に改善されなかったが、AII受容体拮抗薬の投与によっては著明に改善された。 これらのことより、心筋梗塞後の心臓組織キマーゼの活性化によるAII産生過剰が本病態においてより重要な役割を果していることが示唆された(Jpn J Pharacol. 86:203-214 (2001))。 2.心筋梗塞後のキマーゼ阻害薬の効果 ハムスター心筋梗塞モデルにおけるキマーゼ特異的な阻害薬の投与は梗塞後の心臓キマーゼ活性を著明に抑制し、それに伴う心機能と生存率の改善効果が認められた。その程度はAII受容体拮抗薬とほほ同等であったことから、心臓ACEの活性化よりむしろキマーゼの活性化によるAII産生過剰が梗塞後の病態においてより重要な役割を果たしていることが示された(Life Sci. 14:437-446 (2002))。 3.不整脈に対するキマーゼ阻害薬の効果 キマーゼ阻害薬およびAII受容体拮抗薬には梗塞面積縮小効果が認められず、心筋梗塞後の予後改善効果にはこれらの物の抗不整脈作用が関与するのではないかと考えた。そこで、心筋梗塞後の不整脈に対するキマーゼ阻害薬とAII受容体拮抗薬の効果についてを検討してみた。 イヌの心筋梗塞モデルにおいてキマーゼ特異的な阻害薬の投与は心臓総AII産生活性を抑制し血中AII濃度の上昇を抑すると共に、不整脈の発生率を顕著に抑制した。その程度はAII受容体拮抗薬とほぼ同等であった。これらのことより、キマーゼ活性化によるAII産生過剰がAT1受容体を直接介してイヌ心筋梗塞後の不整脈の発生に関与することと、キマーゼ阻害薬の心筋梗塞後の予後改善効果の機序にはキマーゼ阻害薬の抗不整脈作用が寄与していることが示唆された(投稿準備中)。 4,ハムスター心臓虚血再灌流後の心臓組織再構築におけるキマーゼの役割についての検討 これまでには心筋梗塞後の急性期におけるキマーゼの役割について検討を行ってきたが、心筋梗塞後の慢性期においては非梗塞心臓壁での組織再構築が慢性心不全への発展において非常に重要な役割を果たしている。そこで、我々はハムスターを用いて心臓虚血再灌流モデルを作製し、6ヶ月におけるキマーゼ劾憩とACE阻害薬、キマーゼ阻害薬、ACEとキマーゼ阻害薬の併用およびAII拮抗薬の本モデルにおける効果を検討することにした。本モデルにおいても、心臓ACEに加えてキマーゼの活性化、そして、それに伴うコラーゲンI, IIIおよびTGF-βのmRMの亢進が梗塞一ヶ月後に認められた。今、梗塞6ヶ月後の諸薬物の効果について検討中である(進行中)。
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