研究課題/領域番号 |
13670105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
大熊 誠太郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30152086)
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研究分担者 |
桂 昌司 川崎医科大学, 医学部, 助手 (80204452)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | β-アドレナリン受容体 / up-regulation / nadolol / [3H]CGP-12177結合 / adenylate cyclase / 大脳皮質神経細胞 / β-arrestin / 3H]CGP-12177結合 / [^3H]CGP-12177結合 |
研究概要 |
本研究では、神経伝達物質受容体過感作の発現機序について、β-アドレナリン受容体(β-AR)を対象として、β-ARのup-regulationとβ-AR連関細胞内情報伝達機構の機能変化との機能的関連性を検討することにより、β-AR過感作発現機構の解析を試みた。 β1-およびβ2-ARが初代培養マウス大脳皮質神経細胞(神経細胞)に存在することはそれぞれの受容体のmRNAが発現していることから確認した。神経細胞への非選択的β-AR拮抗薬であるnadololの持続曝露により曝露後6時間でβ-ARへの[3H]CGP-12177結合は最大値に達すること、またβ1-およびβ2-AR両受容体蛋白質の神経細胞膜における発現も有意に増加していた。一方、両受容体のmRNA発現は曝露後12時間程度から増加すること、mRNA発現増加以前に認められる細胞膜におけるβ-AR蛋白の発現増加は細胞質内に局在する受容体の細胞膜への移行に起因し、かつ受容体蛋白合成はこの変化に関与していないことが明らかとなった。また、β-AR mRNA発現増加ののちにはβ-AR up-regulationの維持に増加したmRNAからの受容体蛋白の生合成が重要な役割を果たしていることも明らかとなった。 大脳皮質神経細胞に存在するtypeI、II、VIIIおよびXIのadenylate cyclase isozymeうち、typeIのみがβ-ARのup-regulationの発現に伴い、発現が著しく亢進することを見出した。さらにβ-ARと機能的に関連性を有するβ-arrestinは、β-ARのup-regulationに伴いβ-arrestin 2のみ発現が増加し、β-arrestin 1には変化がみられなかった。これらの結果から、β-ARのup-regulationに伴いの発現は連関する細胞内伝達系の機能変化が生じており、β-ARのup-regulationは、より複雑な機構を介している可能性が高いと考えられる。
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