研究課題/領域番号 |
13670113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
米倉 秀人 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (80240373)
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研究分担者 |
櫻井 繁 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (60332665)
山本 靖彦 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (20313637)
渡辺 琢夫 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (40303268)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | diabetic complications / advanced glycation endproducts(AGE) / receptor for AGE(RAGE) / alternative splicing / endogenous soluble receptor / gene knockout mouse / esRAGE / advanced glycation endproducts (AGE) / receptor for AGE (RAGE) / gene knockout mous / advanced glycation endproducts / RAGE / splice variants / gene targeting |
研究概要 |
本研究の目的は、糖尿病性血管合併症発生の原因物質と考えられる後期糖化反応生成物(advanced glycation endproducts,以下AGE)が、血管細胞上の受容体(糖化蛋白レセプター;receptor for AGE,以下RAGE)に結合して、血管合併症を引き起すまでの分子機構を解明することである。本研究で、研究代表者らは、以下の成果を得た。 1.血管細胞でRAGEを高発現するトランスジェニックマウスを用いた解析から、糖尿病腎症の発生・進展におけるAGE-RAGE系の機能的役割を初めて個体レベルで明らかにした。 2.RAGEトランスジェニックマウスより分離した初代培養心筋細胞へのAGE-RAGE系の影響を解析した結果、AGE-RAGE系が心筋細胞のカルシウムホメオスタシスに彰響を与えうることが示された。 3.RAGE遺伝子ノックアウトマウスを作製した。RAGEノックアウトマウスは見かけ上正常に誕生・生育し、各臓器に形態学的異常は認められなかったが、マウスに糖尿病を誘導したところ、糖尿病野生型マウスと比較して腎症の軽液が認められた。 4.天然の可溶型RAGE蛋白をコードするcDNAをヒト初代培養血管内皮細胞より分離、この可溶型受容体をesRAGE(endogenous secretory RAGE)と命名した。 5.esRAGEの血管細胞での役割を解析し、esRAGEがAGEに対し血管保護作用を有することを明らかにした。 6.esRAGE ELISA定量系を開発して可溶型RAGE発現量の差と血管合併症罹患との相関を解析したところ、網膜症あるいは腎症罹患者で血中esRAGE量が低い傾向を見い出し、血管合併症発症のリスク予知法開発の可能性を示した。 7.glyceraldehydeおよびglycolaldehyde由来のAGEが、RAGEの新しいリガンドであり、ヒト血液中のRAGE結合性AGEの主要成分であることを明らかにした。 8.AGE-RAGEの結合を阻害するRAGE由来ペプチドを同定し、AGE-RAGE系を標的とした血管合併症の新しい予防・治療法開発の可能性を示した。
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