研究課題/領域番号 |
13670133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 東京理科大学 (2002) 理化学研究所 (2001) |
研究代表者 |
鳥越 秀峰 東京理科大学, 理学部第一部, 講師 (80227678)
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研究分担者 |
緒方 一博 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90260330)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 三重鎖DNA / 三重鎖DNA結合蛋白質 / STM1蛋白質 / 大量発現 / 結合定数 / 分子認識 |
研究概要 |
三量鎖DNAはホモプリンホモピリミジン二重鎖(pur・pyr)の主溝に沿ってホモピリミジン単鎖あるいはホモプリン単鎖がHoogsteen型の水素結合をすることにより形成される。pur・pyr配列は真核生物のゲノム中に広く分布し、遺伝子発現の調節領域や組み換えのホットスポットに位置することから、三重鎖DNAが遺伝子発現調節や組み換えに関与すると考えられている。本研究課題では三重鎖DNAに特異的に結合する蛋白質として最近単離されたSTM1蛋白質を解析した。まず大腸菌内でT7ブローモーターを用いてSTM1蛋白質を発現する系と、tacプローモーターを用いてグルタチオンS-トランスフェラーゼとの融合蛋白質としてSTM1蛋白質を発現する系との2つの系を構築した。後者の系を用いた方がSTM1蛋白質の発現量は大きく、発現した蛋白質は単品に精製することができた。次にSTM1蛋白質が種々のDNA構造、(1)ホモプリンホモピリミジン二重鎖DNAにホモプリン単鎖が結合した三重鎖DNA(Pur triplex)、(2)ホモプリンホモピリミジン二重鎖DNAにホモピリミジン単鎖が結合した三重鎖DNA(Pyr triplex)、(3)G-rich単鎖とC-rich単鎖とからなる二重鎖DNA(Pur duplex)、(4)A-rich単鎖とT-rich単鎖とからなる二重鎖DNA(Pyr duplex)、(5)G-rich単鎖及び(6)G-rich単鎖が折り畳まってできる四重鎖DNA(G-tetramer)に結合する強さを解析した。STM1蛋白質はこの中ではPur triplexに最も強く結合した。同じ三重鎖のPyr triplexにも結合したが、Pur triplexへの結合よりも数十倍弱かった。またPur duplexにも結合したが、Pur triplexへの結合よりも数十倍弱かった。同じ二重鎖のPyr duplexにはほとんど結合しなかった。またG-rich単鎖への結合も非常に弱く、Pur triplexへの結合よりも数千倍弱かった.またG-tetramerに対してはある程度強く結合したが、Pur triplexへの結合よりも5-6倍弱かった。染色体末端のテロメア領域はG-rich単鎖が突出しており、四重鎖DNAを形成し得ることを考えあわせると、STM1蛋白質はテロメアの構造維持にも関与している可能性が考えられる。また以上の核酸構造との相互作用にSTM1蛋白質C末端領域が関与していることが示唆された。
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